2016/02/25

子宝のはり 5  急がばまわれ

 「3日後に体外受精の移殖をします。はり治療できますか?」


 このような電話がたてつづけにかかってきました。差し迫ったお電話に「できることはなんでもいたします。」というより他の言葉はみつかりません。

 通常は、基礎体温表がなければ、まず、基礎体温を測ってもらいます。
 一ヶ月のグラフを見て治療の方針をたてます。

 十ヶ月赤ちゃんがおなかの中ですくすくと育つ環境ができてから姙娠するというのが本来の姿でした。最近は、基礎体温は測らなくても良いという先生もいて、「計ったことがない」といわれることも多くなりました。

 移殖のために排卵をとめたり、体温を上げたりの操作によりその人の生理のリズムがみだれてしまうこともあり得ます。

 急がばまわれ、低温期は低温期らしく、排卵期はそれらしく、高温期14日間36・7度以上をキープ。このリズムを作りあげることがより確実な姙娠につながります。

 「できうることは何でもの中には、移殖してからの高温期がずっと続いてくれるようなからだを一度で作ってくださいと言われているようでとても大変です。かりに姙娠しても、10ヶ月おなかの中にいられるかどうかまでははっきり確信をもって言えません。

 「急がばまわれ」の意味がわかってくれましたでしょうか?

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2015/11/15

子宝のはり 4 共通の目的

 「インスタントラーメンに卵を落としたのと、白ご飯」

 「昨夜は何を食べましたか?」子宝のはりをうけに来ているU子さん(35歳OL)の答えでした。夕飯を食べそびれたうえ、野菜が冷蔵庫に無かったのでこうなったそうです。独身時代、一人ご飯を食べていた時パスタが多かったと聞きました。

 今は、十月十日おなかに赤ちゃんを宿すからだを作る時期です。はり治療は、生理の周期の中で、生理が終わった直後、排卵前、高温期と3つの大切な時期に体調を上げ妊娠しやすくします。子宮環境は良くなっても、子宮の細胞を作るもとになる普段の食べ物にはじゅうぶん気をつける必要があります。

 食べる内容、食べる時間、食べる量すべてにおいてからだに影響します。現代っ子のU子さん、忙しいOLでもあり外食も多いといいます。子宝のはりをするわたしと、子宝を望むU子さんの共通の目的のためにいま少し節制してくれるようにお願いしました。

 なぜなら、子宝のはりと食べ物の不摂生を治すはりと合わせると、針数が増え、ストレートに効かすのが難しくなるからです。

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2015/09/28

子宝のはり 4

 不妊外来の待合でベーネ治療院の名前を聞いてきたという方がおられました。

 3ヶ月前に治療していたK子さん(35歳OL)が無事に妊娠されたのだろうと確信しました。

 K子さんは、仕事帰りにいつもはり治療に来られていました。体外受精をするXデーのために、数ヶ月前から基礎体温表を見ながらはり治療の予定を立てていました。

 生理が終わったらすぐに来る。低温期維持と不妊本来の体調アップをはかります。
 排卵前に一度来る。 子宮の壁を厚くすることにより着床しやすくします。
 高温期維持のために一度くる。 約2週間36度7分以上をキープします。

 1ヶ月のグラフの中で、3つの時期にはり治療をして基礎体温の安定と十月十日赤ちゃんがおなかに居れるようなからだを作りをします。K子さんには、赤ちゃんは子宮というお家が居心地が良くないと下りてしまうこと、それは、例えば北海道仕様よりは南国沖縄仕様のほうが良いということを伝えていました。

 Xデーに当たる月、ドクターの指示にしたがいながら、移植の数日前に最後の体調アップのはり治療をしました。

 帰り際、安心したような顔で帰られたK子さんの横顔が忘れられません。来年春の吉報をお待ちしています。もし、妊娠中につわりがひどければ是非はり治療に来てくださいね。

 

 

 

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2015/06/14

子宝のはり 3

 I子さん(32歳)が出産8ヶ月ぶりにはり治療に来てくれました。

 独身時代大きな病気をかかえはり治療を受けに来られました。結婚後、病院からの薬は最小限にとどめ元気な子を授るように治療をしていました。

 「今日は1時間しか時間がありません。子供のお乳のタイムリミットです。主人に今見てもらって出てきました。」

 なつかしいI子さんのからだはほっそり。胸がぱんぱんに張っています。子供の夜泣きのため睡眠不足。加えてよく出るお乳のため血虚(貧血)がひどくなってやつれていました。ひどい肩こり。断乳のタイミングを保健師さんと話し合い、1歳になるまではとがんばる決心をしたそうです。自分の薬は母乳をあげるためあれから一切飲んでいないと。

 治療穴、照海、衝陽、三陰交。ゆっくり滋陰、ゆっくり補血、ゆっくり腎精を補いました。

 やつれたなかに自愛に満ちた母親の強さが見て取れました。「子供の夜泣きには桶屋奇応丸(ひやきおうがん)金粒を飲ませてあげてね」と伝えました。わたしの3人の子育てにも大変お世話になった日本の小児和漢薬です。

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2014/10/06

生理不順

 台風が去って湿気を吹き飛ばしてくれました。吹きかえしの風は涼しいというよりは肌寒い。夜遅く帰る人は厚手の上着が必要です。

 今年の夏はなかった感が強いのですが、すっかりそのつけは19歳の娘にまわってきました。自活している次女が久しぶりに帰ってきました。

 生理痛がひどく婦人科でピルの処方を受けているとのこと。生理周期が45日。デパートの婦人服の売り場に勤めていて一日中クーラの中。夏の間ほとんど外へ出ない生活でした。

 「このままだと不妊症になるといわれたのでピルを飲むことに決めた。それから、お医者さんに職場ではズボンを着用するようにという診断書を書いてもらった」とスキニーパンツをはいていました。

 一年目を離した間に体調が激変していました。生理周期を普通にもどすためにピルで調節する、というのが今の婦人科の主流になっているようです。自分のからだのことを母に相談しないで決めたこと、親離れのなせる業かと思いましたが大ショック。

 治療は、生理時に黒い塊が出るお血と、血が少ない血虚と診断。左右の三陰交、左右の太衝の穴にはりを打ちました。ピルは飲むとして、家にあった桂枝ぶくりょう丸(お血をとる)、四物湯(血虚をとる)を飲むようにいいました。確かにこのまま放っておくと不妊症、子宮筋腫や卵巣膿腫などの温床になるところでした。2-3ヶ月ピルと漢方薬との併用で様子を見ようと思います。

 暑がりだった娘が、ズボン着用で仕事をしている姿。クーラーの影響恐るべし。夏がなかった今年のこれから訪れる冬の寒さ、皆様侮る事なかれです。

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2014/09/14

子育て時代

 「毎日朝夕2回、米3合炊きます。朝5時半に起きてお弁当3つ作り、山のような洗濯とそうじ。パートの仕事。夕方は・・・・」

 A子さん(39歳)は運動部に入っている高校生の子供さん達を育てるために奮闘の毎日を送っています。

 ときどき疲れ果ててはり治療に来られます。特に、生理が終わった後の貧血状態がひどく毎日の生活に支障をきたす程です。何をするのもおっくうになり、じっと寝ていても回復が遅くイライラするとのこと。

 女性は毎月の生理後、貧血状態となります。若い頃なら難なくやり過ごせたものが、子育て時代の真っ最中に動けなくなる日があると困ります。からだから言えば血が足りないので動いてはいけないサインに他なりませんが。

 はり治療に来られたA子さんには、脾臓の造血作用を高めるために三陰交、血海、足三里、脾ゆなどの穴をつかいました。
 
 A子さんいわく。「レバー、ブルーベリー、プルーン、ほーれんそうをたくさん食べていますが、はり治療が一番早く楽になります」

 主婦が一刻も気を抜くと、家が回らない子育て時代、わたしの家は子育てが終わり一日米1合を食べあぐむ毎日。A子さんと話していて、うらやましいやら寂しいやら、あの時はいつも疲れていたことを思い出しました。
 

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2014/07/21

子宝のはり 2

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 大阪は本日梅雨明けしました。

 数年前の冬、A子さんの子宝のはり治療が始まりました。

 平均体温36度3分、薬で排卵させても高温期になりにくいA子さん、色白の肌、手足の冷え、舌、脈、などから陽気が足らない陽虚の体調でした。冬はひたすら体温を上げ高温期をしっかり作るはり治療を。夏はそれを改善する絶好のチャンスでした。

 暑い夏の日、ペットボトル片手に帽子、スニーカー姿のA子さんは大阪駅から心斎橋までの30-40分、歩いてはり治療に来られるようになりました。しっかり歩いてきた日は、色白の肌がピンク色になって全身の血行が良くなっていました。こちらの言うことをよく聞いてくださり、海水浴にも行ってもらいました。海水浴は、夏の養生の一つ。すぐ風邪をひきやすかったA子さん、子宝のはり治療を始めてから風邪をひかなくなりました。排卵前後や高温期の風邪は子宮に微妙な影響を与えるものです。ひと夏が過ぎる頃、ガタガタだった基礎体温表が、自力でメリハリのあるグラフに変わっていました。

 赤ちゃんが十月十日居心地よく過ごすことができる子宮環境が整いつつあることがわかりました。これからは毎月がチャンスと言う時、ご主人が病気で入院。残念な期間が半年続きました。

 

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2014/07/13

子宝のはり

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「育児に疲れた」とA子さんは、だんなさんに2人の小さな子供さんをあずけてはり治療に来られます。「妊娠するのも大変でしたが、子育てはもっと大変」今の心境をしんみり語ってくれます。

 A子さんは当時30歳、結婚して3年、不妊治療2年。5回の人工授精がうまくいかず、排卵誘発剤の影響で子宮内膜が薄くなって次からは薬の変更を言われている折のはじめてのはり治療。ていねいにつけられている基礎体温表のグラフは一見してがたがたでした。低温期、体温が下がらない、高温期、上がるべきのところで上がらない、高温期の維持ができない等はり治療が必要なところがたくさんありました。

 しばらくグラフが安定するまで薬を飲むのを休みたいというA子さん。お母さんのおなかに十月十日いごこち良く居るためににはどうしたら良いか一緒に考えていきましょうと子宝のはり治療が始まりました。

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2014/06/27

子宝のはりと「不妊治療大国」ニッポン

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 少子化ニッポンは「不妊治療大国」 6月27日付けの日本経済新聞朝刊のタイトルが目にとまりました。

 生殖補助医療とも呼ばれるこの治療で年間3万2千人、赤ちゃんの30人に一人の割合で生まれているといいます。結婚して子供が欲しいのに子宝に恵まれない女性は、まず婦人科を受診して子宮や卵巣の異常は無いか検査をします。その原因如何によりいろいろな治療が行われることはご存知のことと思います。。

 東洋医学のはり治療ではどうでしょう?

 幸い主たる原因が無い場合、十月十日子供がおなかに居心地良く居れるような子宮環境を作るにはどうしたら良いか?が最優先課題です。そのためには、基礎体温表を参考にして生理周期、低温期、排卵期、高温期、生理期、のグラフのチェック。生活環境、食事、職業などから導き出すオンリーワンのプログラムを作ります。子宮や卵巣に問題がある場合でもはり治療や漢方薬により体質改善を行います。

 冷え性や生理不順を改善せずに不妊治療を繰り返していらっしゃる方、急がば回れということもあります。体質改善をしながら不妊治療を行うことで確率が上がります。

 子宝のはりをぜひお試しください。

 
 

 

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2012/12/21

治療をしない勇気

 H子さん(OL36歳)は、生理が来ないと来院されました。毎月14日にくる予定が、20日になっても来ないと。

 「妊娠の可能性はないですか?」

 H子さんは、不妊治療で婦人科にかかっていてタイミングをはかっていることは聞いていました。今月は、風邪をひいて熱がでたりで基礎体温もあまりよくなく、今日体温が36度5分に落ちたのに生理の兆候が全くないといいます。また、妊娠反応を調べてもマイナス。

 わたしは、彼女の脈を何度も見返しました。婦科の妊娠脈がかすかに滑脈が出ていました。生理の脈がややみえかくれする中でその滑脈は捨てがたくどちらともいえない状況でした。H子さんは、生理になって欲しい、わたしは、判断が難しい。その上、体温は今日落ちてしまった。はるばる遠いところから仕事を終えて来てくれた。

 「H子さん、今日のはり治療はやめておきましょう、生理にならすのは簡単ですが、妊娠している可能性も
捨てきれません。妊娠反応を調べても今はまだでにくいでしょうから」

 「妊娠しているかどうか脈でわかるのですか?」

 「わかります、しかし、遅れて6日ですからまだ確定はできません」

 わたしは、20年前まだ脈診が未熟だったころのことを思い出しました。明らかに妊娠していた女性にそのまま普通のはり治療をして帰しました。後日妊娠がわかり幸いにも何事もなく無事出産されましたが。その時使った穴の中には、胎児がおりやすい穴もありましたから。生理が止まって、1-2週間は要注意を肝に銘じました。生理が普段おくれて来る人にも注意です。そして、治療をしない勇気も大切なことだと思いました。

 

 

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