2018/06/11

A I

 高校生棋士藤井聡太七段が、6月5日の竜王ランキング戦5組決勝にて、AI(人工知能)の予測を覆して勝利したとテレビニュースで知りました。

 ファンの間では、AIを超えたと話題になっています。これについて藤井七段は、「人間であればその場面で条件を整理してそれに沿った手を考えるもの。その中で導き出された手だった」と昇級昇段を祝う会で答えていました。

 話を針灸にあてはめてみました。

 鍼灸の古典、黄帝内経素問霊枢(こうていだいけいそもんれいすう)や難経(なんぎょう)、傷寒論(しょうかんろん)、鍼灸大成、その他あらゆる鍼灸の知識をAIにデーターとして放り込む。そして、わたしたち鍼灸師が毎日取り組む治療でどれだけ患者さんの病気や訴えを満足させられるか?と考えてみました。

 「人間であれば、その日その時の気候条件、患者さんの精神状態、仕事状況、家族、食事、病歴、脈や舌、顔色、声、匂いなどを整理して、それに最も適した一手を考えるもの。針の太さ、刺す深さ、響きぐあい、顔色の変化、刺激の量、時間、からだの変化、導き出す手は誰一人同じではありません」

 AIに古典を放り込んだとしても、解釈が難解です。データーを入れる前に膨大な編纂過程が生じそうです。誰もこれまでにやったことはありません。

 あまりにもたくさんすぎる情報。一人の人間が一生のうちで1つその真理(データーの簡略化)を見つけるという方法で何代にもわたって向き合ってきた人たちがいます。データーの圧縮です。

 ベーネ治療院で行うはり治療は、一人のグランドマスターにより伝承された古典のデーターの圧縮という形で伝承されたものです。

 AIを超えたといわれる藤井七段ほどの頭脳の人が、何十代かけて創り上げたものを受け取るこちら側が頭を抱えています。

 ちなみに一つの圧縮されたデーターを解きほぐすと、何百何千とおりの回答があるようです。またまた頭を抱えます。

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2018/05/07

雨の前に

 道路に雨水が流れるくらいの雨脚の中、一人足元を気にしないで歩けるなんて。

 ゴールデンウィーク明けの月曜日は雨予報。何ともテンションの下がること。

 それが何と、2日前に購入したゴアテックスが装備されている登山用靴により、一気に快適に過ごすことができました。雨の進入を防ぐ、風を防ぐ、蒸れない、という優れものです。雨の日は、長靴が定番。雨は防げますが、雨上がりの中では目立つ上、足が蒸れて何とも不快でした。

 雨脚が強くなる中、小学生たちは、運動靴がびちゃびちゃになり、ずぶぬれで走り回っていました。自分の足がさらっとして雨を寄せ付けないなんて初めてでした。靴底のクッションが良く、しっかり足を包み込み、歩きやすい。何度も言いますが、雨の日に。

 登山中の雨でも大丈夫というなら、街中での雨なら朝飯前というところでしょうか?デザインは、スニーカー風のグレーを買ったので街歩きにも違和感がありません。

 雨をはじいて透湿する、防風もOKで登山用の服もあるそうです。化学繊維の進化に目を見張らせられます。こんなことを、はり治療でもできないかしらと思ったりしました。

 靴は快適だったのですが、激しい雨のため、服がボトボト、リュックサックの表面から雨が浸みて中のノートが濡れてしまいました。上の装備が予想に反して不十分で、本日は五分五分というところに相成りました。


 

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2018/04/16

変わる意識

 「わしは今日は絶対行かない」顔を真っ赤にして怒りながら言い切る96歳の父。

 長女の結婚式当日の朝。出発50分前のこと。何日も前からこの日を楽しみにしていたはずなのに。前日から父の家に泊まりに来ていた妹から「行かないと言っている」というメールがきました。

 自分の支度もできないままに父宅へ飛んでいきました。

 ここのところ背中の痛みで体調が悪そうでした。「痛み止めは絶対飲まない」ともいうので、無理やりはり治療開始。診ると、連日の気温の変化のため風邪をひいていました。怒りの原因は風邪により肺が弱り、肝が高ぶったようでした。行けないかもという不安感、悲壮感はこのために出ていたのでしょうか。後は気力が出るように腎虚を補いました。

 はりを刺したまま、時計とにらめっこをしながら、背中の痛みを止めるために超音波をあてました。

 腎虚を補っている間に、妹に、「式服を持ってきて」と父が言い出しました。「行くの?」と聞くとうなずく。

 出発15分前。感動する暇もなくわたしは自宅に跳んで帰り自分のしたく。朝10時に予約していたタクシー到着。

 その後は無事に式は終わり、上機嫌の父を連れてタクシーで家まで送りました。
 
 はりで体調が変わると、意識は変わることを父をとおして実感しました。

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2018/04/09

美味しそうなにおい

 電子レンジからプーんと豆ちー(醤油の搾りかす)のにおいがしてきました。ご飯まだいらないと言っていた96歳の父は、こぼさないための前掛けをしめ箸を手に持って食べる用意をしはじめました。

 昨夜、豆腐が余っていたため作った麻婆豆腐。にんにくと生姜をきかせ、豚ミンチと豆腐を、甜麺ジャン、豆ばんジャン、豆ちーで味付けしたもの。仕上げには、ごま油とねぎをちらして。

 電子レンジで温めなおしたところ、ごま油と混じった美味しいにおいが部屋中に広がって、わたしの頭はまたしても麻婆豆腐モードになりました。食欲の無かった父。鼻から入った美味しそうがお箸を持って待つ体制になったことに嬉しさと驚きを感じました。決め手は、隠し味のにんにくと生姜かも。このにおいが胃腸を刺激したのだと思います。

 体調が思わしくないとき、鼻から美味しそう、目からの美味しそうはとても大切なことだと思いました。もう少し、器、盛り付けの色合いの工夫が必要とも感じました。


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2018/04/02

巣立ちの後

 桜満開の日、長女は、結婚して近くの新居に引っ越して行きました。

 残ったのは、92歳の義母と9歳の犬(人間でいうと推定58歳)とわたし。

 6人家族がにぎやかにひしめいていた家はがらんどう。

 送ってもらっている米の量を減らさないと。宅配で頼む野菜や調味料なども減らす。スーパーに行く用事も少なくなりました。大型冷蔵庫はあまり必要ないくらい。これまでの生活スタイルを一から見直しです。

 とはいうものの、一抹の寂しさもあって、昼間は外に出て気晴らしをしています。春の日差しをあび、春の花をみつけて、街行く人の新年度の幾分かの緊張を肌で感じながら、徐々に自分を取り戻しています。
 
 数日後、長女は家で使っているいろいろな調味料を取りに来ました。我が家の味つけだけは受け継いで持って行ってくれました。

 ひと安心しました。

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2018/03/04

介護生活復活

 明るい日差し。風がない。ダウンコートが脱げるかな?

 久しぶりに自分の時間が持てました。休日をすべて自分の時間として過ごすことができる幸せを感じました。

 半月前、家人への突然の医者からの告知。驚く暇も無いままにキーパーソンとしてすべて担うことになりました。暗い家の空気、心の余裕が無い。一気に暖かくなったこの日、久しぶりに自分だけの時間を無理やりとらせてもらいました。季節は変わり春の装い。コートを脱いで五分咲きの梅見でした。紅、白、ピンク、枝ぶりもそれぞれ趣があり心が踊りました。

 帰宅したとたん、キーパーソンとは何か?その重さをまた思い出しました。

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2017/12/10

土と内臓(微生物が作る世界)

 ふかふかな土、みみずがうごめく。虫たちが作物をかじる。太陽をいっぱいあびた野菜や穀物が収穫できる。

 有機野菜のイメージがこの本によってより確信をおびて身近に感じるようになりました。

 「土と内臓」(微生物が作る世界) Dモンゴメリー、A・ビクレー著 築地書館 を読みました。

 地質学者と生物学者の夫婦の共著。荒地の庭が、わら、コーヒーのしぼりかす、牛糞、落ち葉などにより2-3年かけて黒いふかふかの庭になりました。硬い土が、ゆっくり栄養豊富な土に変わっていくさまを想像するだけでも興奮しました。

 植物と土の中の微生物は、生物学的な取引関係を営んでいます。それが、植物の防衛機構として機能します。それにより、植物は、土からの栄養をたっぷり吸収しています。有機野菜や作物は、昔の味がして美味しいといわれる所以です。

 今は、多くの作物が化学肥料、農薬により、土と微生物たちとの取引関係が悪化し、それを補う意味で遺伝子組み換えという方法により収穫をたかめる方法が注目されているのが実情です。

 美味しい野菜や作物を食べているわたしたちのからだはどうなっているのでしょうか?食べた物が胃から腸に送られ腸内細菌群を活発化させます。栄養は、腸から吸収され人の体がつくられます。食べたものが人の血となり肉となり外敵(ウイルス,細菌)から身を守る免疫機能を保っています。作者の妻は子宮頚がんを発症するにあたり免疫システムと腸内細菌と密接につながっていることに気づきました。虫と共存する土の世界とひとの内臓の腸内細菌群の免疫システムが重なってみえました。

 土に栄養を与えれば土がわたしたちを養い続ける世界。身体だけではなく、心と精神、生命と健康の根本は、微生物の営みであると作者はいいます。


 我が家の冷蔵庫の野菜室のなかには、2週間以上前に届いた有機野菜がはいっています。水に漬けると届きたてのようにシャキッと生き返ります。生きている野菜。土の中から吸収した微生物と栄養が細胞の単位のなかにもゆきわたっていると感じる瞬間であります。

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土と内臓

 ふかふかな土、みみずがうごめく。虫たちが作物をかじる。太陽をいっぱいあびた野菜や穀物が収穫できる。

 有機野菜のイメージがこの本によってより確信をおびて身近に感じるようになりました。

 「土と内臓」(微生物が作る世界) Dモンゴメリー、A・ビクレー著 築地書館 を読みました。

 地質学者と生物学者の夫婦の共著。荒地の庭が、わら、コーヒーのしぼりかす、牛糞、落ち葉などにより2-3年かけて黒いふかふかの庭になりました。硬い土が、ゆっくり栄養豊富な土に変わっていくさまを想像するだけでも興奮しました。

 植物と土の中の微生物は、生物学的な取引関係を営んでいます。それが、植物の防衛機構として機能します。それにより、植物は、土からの栄養をたっぷり吸収しています。有機野菜や作物は、昔の味がして美味しいといわれる所以です。

 今は、多くの作物が化学肥料、農薬により、土と微生物たちとの取引関係が悪化し、それを補う意味で遺伝子組み換えという方法により収穫をたかめる方法が注目されているのが実情です。

 美味しい野菜や作物を食べているわたしたちのからだはどうなっているのでしょうか?食べた物が胃から腸に送られ腸内細菌群を活発化させます。栄養は、腸から吸収され人の体がつくられます。食べたものが人の血となり肉となり外敵(ウイルス,細菌)から身を守る免疫機能を保っています。作者の妻は子宮頚がんを発症するにあたり免疫システムと腸内細菌と密接につながっていることに気づきました。虫と共存する土の世界とひとの内臓の腸内細菌群の免疫システムが重なってみえました。

 土に栄養を与えれば土がわたしたちを養い続ける世界。身体だけではなく、心と精神、生命と健康の根本は、微生物の営みであると作者はいいます。


 我が家の冷蔵庫の野菜室のなかには、2週間以上前に届いた有機野菜がはいっています。水に漬けると届きたてのようにシャキッと生き返ります。生きている野菜。土の中から吸収した微生物と栄養が細胞の単位のなかにもゆきわたっていると感じる瞬間であります。

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2017/11/06

犬のアレルギー

 小さな腕にちくり、小さな足にちくり、そのたびに腕や足がぴくりと動き、最後は必ず逃げ腰の体勢になる。目の前のおやつは食べたいにもかかわらず。

 我が家のヨーキー(8歳メス)はアレルギーもちと診断されました。毛のすきまからふけが増えてきたので獣医さんにみてもらいました。どうりでよくかゆいかゆいと身を捩じらせたり、後ろ足で背中を搔いたりしていたわけです。

 トリミングで毛を短くしてもらうと、ふけの部分と小さくおできのような盛り上がったところとがありました。どこかでみたような・・・。人の湿熱系のアトピー性皮膚炎のように見えました。ロングへァーにアトピーの肌。処方してもらった薬は抗生剤。飲むと一時的にふけやアトピーは治まりますが止めるとまたでてくる。人と同じような繰り返しになると思い薬は止めました。

 ならば、はり治療をしよう。

 動物病院でもはり治療をしているところがあるそうです。わたしの方がうまいはず。

 という訳で、おやつを目の前において、さわぎそうになったらそれを口に入れて、はり治療をやっています。皮膚が白かったのに、今は赤っぽい。皮膚が以前より熱っぽくなっているようです。子供を前向きに抱くようにして、おなかの肝臓辺りの皮膚に小児はり。肘のそばの曲池穴や足三里とおぼしきところにはり。上手に入れるとおとなしい。ちくりとするとがさがさ動く。

 ドッグフードも少しずつに肉類から魚類に変えてみたり。湿熱を呼ぶものを控えるようにしているところです。人を治療しているなら、犬の治療もできるかな?

 深まる秋に犬の患者が一匹増えました。

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2017/10/27

晴れやかな顔

 「治療院から出てくる人、皆が晴れやかな顔だったんですよ」

 30年前の開業したての頃からの患者さんが久しぶりに来院されました。その頃3歳だった娘さんも結婚して5ヶ月の妊婦さん。

 「U子ちゃんのはらおびの巻き方を教えるなんて思いもよらなかったわ」

 昔の話をひとしきりした後、U子さんのお母さんが話し始めました。お母さんもおじいちゃんに連れられて小児はりに行っていたそうです。娘のU子さんにも小児はりを受けさせたくて良いはり治療院を捜していました。

 地下鉄日本橋にあった気功堂治療院(ベーネ治療院の前の名前)を通る時、出てくる人が皆晴れやかな顔をしていることに気がついたそうです。名前からは良くわからないけれど、きっとはりが上手な先生がやっているのだろうと思ったそうです。それから30年、ずっと治療に来てくれています。

 はじめて聞きました。

 何よりも晴れやかな顔を一般の人と見分けてくれていたことに驚きました。はり治療を受けた後のおじいちゃんの晴れやかな顔を子供ながら覚えていたのでしょうか。

 小さいU子さんにも何とか良いはり治療を受けさせてあげたい思いがわたしたちの伝承医学につながりました。U子さんの生まれてくる子供さんもきっとはりと縁ができることでしょう。

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