2019/09/25

ネット検索

 ネットを見て患者さんが来院されました。

 落ち着いた物腰でこちらの挨拶に答えてくれました。普通は、初めて来院される方は、緊張の面持ちの方が多いのですが。 

 「数ある鍼灸院の中からベーネ南船場治療院を選んでくれたのは何故ですか?」とたずねてみました。

 「この辺りで一番古かったからです」

 わたしはハッとしました。

 その選択は当たりかもしれないと。心斎橋で開院して16年目。(東心斎橋で6年、あわせて22年、天神橋商店街で5年、合わせて27年、日本橋で5年、合わせて32年)開院したてのころは、近所半径100メートル圏内に鍼灸院、整骨院、マッサージ院、整体院など10軒以上がひしめいておりました。

 16年後の今、ほとんど姿を消しました。相変わらずはり治療を続けています。激戦区の心斎橋筋辺りで、古い鍼灸院を探してきてくれた会社員のOさん(49歳)に感謝です。逆にプレッシャーがかかりました。古いだけで、腕がイマイチと思われるのも困るので、平常心でがんばりました。

 足腰の張りやツッパリを訴えられて来られましたがすべて消失。普段の養生法をお話ししました。

 「やっぱり来てよかった」とお言葉をいただきホットしています。

 

 東京に引っ越されて、大阪出張の時にいつもきてくださるSさん。ベーネ治療院みたいな鍼灸院をずっと探しておられます。いろんなところへ行っても探し当たらないと。今度大阪に来られた時、脈診をする、長く同じところで治療を続けている鍼灸治療院を探すようにアドバイスしようと思いました。

 長く続けられるということは、それなりに理由があり、確かなものがある確立が高いかと。

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2018/12/31

太極拳昇段試験

 「合格」の文字が目に飛び込んできました。心臓が早鐘のように打つ音が聞こえました。

 12月中旬に太極拳の初段の試験。昨年のリベンジ。
 
 夏の頃から受験に向けて講習会に通いつめての合格。正直ほっとしました。

 去年と今年の違い?というと、昨年は、やって疲れる太極拳。力が入る。軸がずれる。上下ばらばら。
 
 今年は、最後の1ヶ月前ごろから、もっとやっていたい太極拳に変りました。力を入れない。軸がぶれない。足裏に意識がいく。疲れない。元気がでる。勝手に腹筋がつく。自分の気の流れがわかる、など、はり治療にも役立つようになりました。

 はり治療をする者は、武道にも通じたほうが良いとかねてから言われています。武術太極拳、型の中に武術の要素満載。経絡のことがわかる私には、これからの練習は誰よりも有利かもしれません。

 一生の宿題のやっとスタートラインに立つことができました。

 今年も残すことあと一時間あまり、色々なことがありました。来年が皆様にとって良いお年になりますように。

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2018/10/26

ホスピタルアート

 入口を入ると、ブロンズ色の大きなオブジェ。来るところをまちがえたか?吹き抜けの天井に吊り下げられた巨大なモビール。きらきら輝いて人の目を引く。それを、二階に上がるエレベーターからじっくり鑑賞することができる。まるで美術館に足を踏み入れた気分。

 ホスピタルアートをテレビで見ました。四国こどもとおとなの医療センター アートコンセプト。(母なる自然エネルギーに包まれた病院。)

 この病院に10日入院予定だった患者さん。8日で退院でき予定より回復が早いと喜ばれたり。病院を訪れる子供の表情は興味津々。ところどころにある壁の扉を開けると、ボランティアが作った手作りの人形。連れて行っていいよというメッセージ入り。入院中の子供の顔に笑顔が。

 よく見かける無機質な所は皆無。ダリの作とみまごうような、明るいタッチの絵画がさりげなく掛かる。深刻な思いが吹き飛ぶ不思議な空間がありました。

 [コンセプト]

 一年を通じて四季を敏感に感じ取り、古来より詩歌や掛け軸、いけばななど、その生活の随所に、「自然の美」を取り入れながら生活してきた日本人にとって常に自然は身近にあり、心にうるおいを与えてくれるものでした。

 病院での辛い治療中にあっても、人間は自然の一部であるということを忘れず、自然の持つエネルギーに触れて欲しい。その想いから院内にさまざまな形で「自然のかけら」を取り込みたいと考えました。

 善通寺という「場」の力を常に意識しながら、母なる五つの要素 (地、水、火、風、空)をアートで表現しました。(隣接する総本山善通寺の五重塔由来する)

 
 「ホスピタルアートは、医学という無機質な領域にアートを介して人と結びつかせている」とこの病院のドクターは語っていました。


 はり治療はどうでしょう?

 決して無機質なところはなく、人を自然の一部と考え、自然に置き換えて、治療のヒントを貰いながら、細長い小さな針を体表に刺していく、。アナログの要素大。

 これにアートを加えたらどうなるでしょう?

 加えても加えなくても、はり治療が限りなく人のからだを生まれたての赤ちゃんに近づけている(不老不死)というアートであるということです。

 ベーネ治療院の壁にも本物の絵が飾られています。風景を中心に、抽象画など。空間の緊張を和らげることに及ばずながら一役買っています。
  
 

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2018/09/23

アルコールとはり治療

 シルバーウイークの3連休前。秋の学会シーズン。東京から学会をかねて医師のA先生がはり治療に来られました。なぜかはり治療が気に入って、来阪のたびに予約をいれてくれます。

 その日一番最後に来られたA先生。顔が赤い。日焼けにしても赤すぎるような。

 聞けば、学会の懇親会を早々に切り上げてはり治療に来られたそうで、ビール1杯が断れなかったと言うことでした。

 脈をみても速くて力強く溢れています。昔のわたしならすぐさまお断りするところ。コップ1杯のビールはからだの隅々までゆきわたっています。「どうしよう?また来るのは何ヶ月先になるかな?」

 脈診はできなくても触診でポイントを探し、だいたいの方針は決まりました。赤ちゃんをはりするように金のはりを穴に当ててポイントの反応が無くなれば良い。ともすればアルコールの勢いに見えなくなる微かな変化を見逃すまいと全力集中。見立て20分。治療5分以内。少し変化を感じたので終了。

 アルコールを飲むとはりの効果が10倍以上にはねあがります。ひどいときには気分が悪くなったり、ぶっ倒れてしまうことがあります。はりをしないのがベスト。(飲む前のはり治療、飲んだ後のはり治療両方とも)

 A先生からは「これかは絶対飲まないで来ますといわれました」が普段の10倍以上疲れました。多くの皆様はこのようなことがないようにお願いしますね。

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2018/06/11

A I

 高校生棋士藤井聡太七段が、6月5日の竜王ランキング戦5組決勝にて、AI(人工知能)の予測を覆して勝利したとテレビニュースで知りました。

 ファンの間では、AIを超えたと話題になっています。これについて藤井七段は、「人間であればその場面で条件を整理してそれに沿った手を考えるもの。その中で導き出された手だった」と昇級昇段を祝う会で答えていました。

 話を針灸にあてはめてみました。

 鍼灸の古典、黄帝内経素問霊枢(こうていだいけいそもんれいすう)や難経(なんぎょう)、傷寒論(しょうかんろん)、鍼灸大成、その他あらゆる鍼灸の知識をAIにデーターとして放り込む。そして、わたしたち鍼灸師が毎日取り組む治療でどれだけ患者さんの病気や訴えを満足させられるか?と考えてみました。

 「人間であれば、その日その時の気候条件、患者さんの精神状態、仕事状況、家族、食事、病歴、脈や舌、顔色、声、匂いなどを整理して、それに最も適した一手を考えるもの。針の太さ、刺す深さ、響きぐあい、顔色の変化、刺激の量、時間、からだの変化、導き出す手は誰一人同じではありません」

 AIに古典を放り込んだとしても、解釈が難解です。データーを入れる前に膨大な編纂過程が生じそうです。誰もこれまでにやったことはありません。

 あまりにもたくさんすぎる情報。一人の人間が一生のうちで1つその真理(データーの簡略化)を見つけるという方法で何代にもわたって向き合ってきた人たちがいます。データーの圧縮です。

 ベーネ治療院で行うはり治療は、一人のグランドマスターにより伝承された古典のデーターの圧縮という形で伝承されたものです。

 AIを超えたといわれる藤井七段ほどの頭脳の人が、何十代かけて創り上げたものを受け取るこちら側が頭を抱えています。

 ちなみに一つの圧縮されたデーターを解きほぐすと、何百何千とおりの回答があるようです。またまた頭を抱えます。

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2018/05/07

雨の前に

 道路に雨水が流れるくらいの雨脚の中、一人足元を気にしないで歩けるなんて。

 ゴールデンウィーク明けの月曜日は雨予報。何ともテンションの下がること。

 それが何と、2日前に購入したゴアテックスが装備されている登山用靴により、一気に快適に過ごすことができました。雨の進入を防ぐ、風を防ぐ、蒸れない、という優れものです。雨の日は、長靴が定番。雨は防げますが、雨上がりの中では目立つ上、足が蒸れて何とも不快でした。

 雨脚が強くなる中、小学生たちは、運動靴がびちゃびちゃになり、ずぶぬれで走り回っていました。自分の足がさらっとして雨を寄せ付けないなんて初めてでした。靴底のクッションが良く、しっかり足を包み込み、歩きやすい。何度も言いますが、雨の日に。

 登山中の雨でも大丈夫というなら、街中での雨なら朝飯前というところでしょうか?デザインは、スニーカー風のグレーを買ったので街歩きにも違和感がありません。

 雨をはじいて透湿する、防風もOKで登山用の服もあるそうです。化学繊維の進化に目を見張らせられます。こんなことを、はり治療でもできないかしらと思ったりしました。

 靴は快適だったのですが、激しい雨のため、服がボトボト、リュックサックの表面から雨が浸みて中のノートが濡れてしまいました。上の装備が予想に反して不十分で、本日は五分五分というところに相成りました。


 

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2018/04/16

変わる意識

 「わしは今日は絶対行かない」顔を真っ赤にして怒りながら言い切る96歳の父。

 長女の結婚式当日の朝。出発50分前のこと。何日も前からこの日を楽しみにしていたはずなのに。前日から父の家に泊まりに来ていた妹から「行かないと言っている」というメールがきました。

 自分の支度もできないままに父宅へ飛んでいきました。

 ここのところ背中の痛みで体調が悪そうでした。「痛み止めは絶対飲まない」ともいうので、無理やりはり治療開始。診ると、連日の気温の変化のため風邪をひいていました。怒りの原因は風邪により肺が弱り、肝が高ぶったようでした。行けないかもという不安感、悲壮感はこのために出ていたのでしょうか。後は気力が出るように腎虚を補いました。

 はりを刺したまま、時計とにらめっこをしながら、背中の痛みを止めるために超音波をあてました。

 腎虚を補っている間に、妹に、「式服を持ってきて」と父が言い出しました。「行くの?」と聞くとうなずく。

 出発15分前。感動する暇もなくわたしは自宅に跳んで帰り自分のしたく。朝10時に予約していたタクシー到着。

 その後は無事に式は終わり、上機嫌の父を連れてタクシーで家まで送りました。
 
 はりで体調が変わると、意識は変わることを父をとおして実感しました。

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2018/04/09

美味しそうなにおい

 電子レンジからプーんと豆ちー(醤油の搾りかす)のにおいがしてきました。ご飯まだいらないと言っていた96歳の父は、こぼさないための前掛けをしめ箸を手に持って食べる用意をしはじめました。

 昨夜、豆腐が余っていたため作った麻婆豆腐。にんにくと生姜をきかせ、豚ミンチと豆腐を、甜麺ジャン、豆ばんジャン、豆ちーで味付けしたもの。仕上げには、ごま油とねぎをちらして。

 電子レンジで温めなおしたところ、ごま油と混じった美味しいにおいが部屋中に広がって、わたしの頭はまたしても麻婆豆腐モードになりました。食欲の無かった父。鼻から入った美味しそうがお箸を持って待つ体制になったことに嬉しさと驚きを感じました。決め手は、隠し味のにんにくと生姜かも。このにおいが胃腸を刺激したのだと思います。

 体調が思わしくないとき、鼻から美味しそう、目からの美味しそうはとても大切なことだと思いました。もう少し、器、盛り付けの色合いの工夫が必要とも感じました。


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2018/04/02

巣立ちの後

 桜満開の日、長女は、結婚して近くの新居に引っ越して行きました。

 残ったのは、92歳の義母と9歳の犬(人間でいうと推定58歳)とわたし。

 6人家族がにぎやかにひしめいていた家はがらんどう。

 送ってもらっている米の量を減らさないと。宅配で頼む野菜や調味料なども減らす。スーパーに行く用事も少なくなりました。大型冷蔵庫はあまり必要ないくらい。これまでの生活スタイルを一から見直しです。

 とはいうものの、一抹の寂しさもあって、昼間は外に出て気晴らしをしています。春の日差しをあび、春の花をみつけて、街行く人の新年度の幾分かの緊張を肌で感じながら、徐々に自分を取り戻しています。
 
 数日後、長女は家で使っているいろいろな調味料を取りに来ました。我が家の味つけだけは受け継いで持って行ってくれました。

 ひと安心しました。

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2018/03/04

介護生活復活

 明るい日差し。風がない。ダウンコートが脱げるかな?

 久しぶりに自分の時間が持てました。休日をすべて自分の時間として過ごすことができる幸せを感じました。

 半月前、家人への突然の医者からの告知。驚く暇も無いままにキーパーソンとしてすべて担うことになりました。暗い家の空気、心の余裕が無い。一気に暖かくなったこの日、久しぶりに自分だけの時間を無理やりとらせてもらいました。季節は変わり春の装い。コートを脱いで五分咲きの梅見でした。紅、白、ピンク、枝ぶりもそれぞれ趣があり心が踊りました。

 帰宅したとたん、キーパーソンとは何か?その重さをまた思い出しました。

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