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2018/12/04

「眠れる森の美女」 地主薫バレエ団 創立30周年記念公演

 鳴り止まぬ拍手、ブラボウの連呼。

 おとぎ話の幕引きに、もう少しこの場の雰囲気に浸っていたい。絢爛豪華、上気する劇中の人々、興奮する観客たち。

 地主薫バレエ団 創立30周年記念公演 「眠れる森の美女」 (The Sleeping Beauty)を見にいきました。

 観客層は、30周年にふさわしく着飾った子供から大人、年配の人たちと、このバレエ団の裾野のひろさがみてとれ、開演が待ちどうしいオーラが漂っていました。合わせて、盛装の主人公二人の等身大のパネルの設置。写真撮影OK。より大きな期待となって玄関ロビーが異様な興奮に包まれていました。ここからすでに公演の序章が始まっていました。。

 「眠りの森の美女」は、チャイコフスキー音楽の3大バレエの最高峰に位置するもので、地主薫先生の創立30周年記念公演の意気込みを感じます。

 クラッシックバレエ(古典中の古典)をどう見せるか?わたしのはり灸治療の見せ方と共通するところはあるのか?という思いで舞台を見つめていました。

 物語は,完結するには100年以上の歳月を要します。75分に25分の休憩、85分という公演時間。100年以上にわたる時間経過を、音楽を変えて字幕に頼るというテクニックで切り抜け、子供にもわかりやすいスムーズな話運びになりました。このおとぎ話は,100年の時をまたぐスケールの大きな話と改めて知りました。

 題名の如くオーロラ姫は美女中の美女。完璧に美しく、その上に感情を乗せていくんだというヒロインオーロラ姫の倉永美沙さん。(ボストンバレエ団ソリスト)テクニックはできて当たり前のプレッシャーの中で、バレエという言葉でそれをよく表現されていました。

 デジレ王子は、王子らしいたたずまいが似合う新国立劇場バレエ団プリンシバル奥村康祐さん。誰からも愛され100年の眠りからの目覚めのキスは甘く美しく、悪者を打ち負かす勇気を兼ね備えています。

 オーロラ姫の洗礼式に呼ばれなかった、カラボス(アレクサンドル・スモリャニノフ、ボリショイバレエ団)の衣装の色は、黒に渋い赤。ロングドレスの裾さばきにみとれました。風を切って歩くさまは、振り上げられた杖と一緒に、これから起こること、100年後にまで尾を引く筋書きを一気に語る効果が際立って見えました。淡々と流れていく物語に、黒一点が大きな存在感。

 リラの精は奥村唯さん。、カラボスの禍いを和らげる唯一の光。優しく慈悲深くつつましやかな印象。

 永い眠りから覚めたオーロラ姫の美しさ。手の先から足の先までの繊細な動きとともに感情があふれんばかり。デジレ王子もそれに答えるかのように強くたくましい王子らしさとなってみえました。

 古典中の古典をパソコンやスマホ世代にどう見せるか?

 玄関ロビーで、観客を序章のところまで誘い込んだこと。ピンクのプログラムのとびらを開けるわくわくした思い、ヨーロッパの森の100年の眠りを短時間に認識させたこと。豪華な衣装や背景に観客の目が奪われたこと。なじみのあるおとぎ話のよく知られている主人公たちに、また会えたこと。耳に心地よい生オーケストラ(びわこの風オーケストラ)が物語りにいつも寄り添っていたこと。30周年記念公演に向けてバレエ団の踊り手さんや裏方スタッフの方々が、例年以上に一丸となってよく輝いていたこと。枚挙にいとまがありません。

 バレエは素人の私ですが、物語の構成やテンポ、バックグランド、多方面にわたってはり治療と共通するところがあり興味深く鑑賞させていただきました。

 はり治療は、観客(患者さん)の脳とからだに針(はり)という言葉を使いコミュニケーションをとっていく医術。神経系統、筋肉系統の異常は、顔、脈、舌などで判断。異常が解消され心地よさと痛みなどがとれる、その日その時の1回限りのからだの芸術作品ともいえるのかしら?と思えたバレエ公演でした。。

 地主薫バレエ団のこれから先35周年、40周年、50周年と更なるご活躍をお祈りしております。 

 

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