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2018年6月

2018/06/25

横山大観展

 ゴーッと滝から水が大音量で流れ落ちる。滝つぼでは水が泡となってうごめいている。

 「横山大観展」(京都国立近代美術館)に行ってきました。平日の梅雨空とあり、ゆったり見ることができました。

 「飛泉」の辺りは瀑布の音が鳴り響くようで、静かな空間に、本来聞こえない音が交雑して不思議な感じ。絵も音を出すのか?と驚きました。大観の絵はのきなみスケールが大きい。同じ物や風景を見て切り取る視点が凡人とは違う。当時はドローンなどあるはずもなく、上からゆったり見ているような視点。小さな絵の中に、壮大、単純、山、海、空。全体を俯瞰できる能力に長けているように思いました。

 翻って、はり治療をするわたしたち。そんな観点で診ることができているだろうか?からだを見て、聞こえない音や生命の営みを感じ識別して、それを治療に具現化しているだろうか?

 どこに大観のような感性を持ち合わせているだろうか?

 

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2018/06/18

洗濯機が動かない

 梅雨の晴れ間に、綿毛布やシーツを洗ってさっぱりしようと思い立ちました。

 すべてを洗濯機に入れてスイッチをオン。

 ずいぶん待っても動きません。最終表示がFb.と出る。何度繰り返しても同じ。嫌な予感。壊れた?昨日までは何ともなかったのに。

 取り扱い説明書をあわてて読み返してもFb表示の故障ページは見当たりません。しかたがないので出張修理依頼をしました。洗濯機の中は、中途半端に水にぬれた大量の洗濯物置き去り。

 「原因は中枢部基盤のエラー表示です。基盤交換をすると2万円と出張費用3600円かかります」

 あくる日の修理の人の見立てと見積もり。思わぬ出費にしばらく声が出ません。購入後6年たち保障期間切れのため、まるまるお金がかかる。洗濯できないとあればしかたがない。基盤部品交換をお願いしました。

 洗濯機のなかで今回故障した場所は回転軸。人にたとえると心臓。指令する脳は異常がなかったそうです。異常があれば、スイッチを入れても電源がつかない。大きな基盤はこの2箇所。回転軸の部品交換は、心臓移植にあたるそうです。洗濯機を横倒しにして底の部分の入れ替えを一部始終見ていました。数十箇所のボルトをはずし、大きな回転軸の部品を取替え、電気系統の配線をやり直し、また元通りのもどす作業は時間がかかりました。心臓移植をやり終えた洗濯機は、試験運転を経て作業終了。

 はじめは高いと思っていた修理費も、一連の作業と説明、人間にたとえてもらって気持ちよく支払うことができました。初めは、修理と買い替えで悩みました。買い替えになると別人が洗濯機置き場に居る状態。この洗濯機の初めての修理(初めての病気に心臓移植)で命が数年延びるなら、まぁいいかと思いました。

 洗濯機などの機械物の故障の診断と修理には、はり治療と通じるものがありました。脳という指令系統の不都合がある時は、いくつかの部品を交換して様子を見るそうです。初めの診断が大切とも教えてくれました。直らないと帰れない。治さないと(痛みが取れないと)帰せない、共に緊張感を持って仕事に取り組むところも同じでした。

 

 

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2018/06/11

A I

 高校生棋士藤井聡太七段が、6月5日の竜王ランキング戦5組決勝にて、AI(人工知能)の予測を覆して勝利したとテレビニュースで知りました。

 ファンの間では、AIを超えたと話題になっています。これについて藤井七段は、「人間であればその場面で条件を整理してそれに沿った手を考えるもの。その中で導き出された手だった」と昇級昇段を祝う会で答えていました。

 話を針灸にあてはめてみました。

 鍼灸の古典、黄帝内経素問霊枢(こうていだいけいそもんれいすう)や難経(なんぎょう)、傷寒論(しょうかんろん)、鍼灸大成、その他あらゆる鍼灸の知識をAIにデーターとして放り込む。そして、わたしたち鍼灸師が毎日取り組む治療でどれだけ患者さんの病気や訴えを満足させられるか?と考えてみました。

 「人間であれば、その日その時の気候条件、患者さんの精神状態、仕事状況、家族、食事、病歴、脈や舌、顔色、声、匂いなどを整理して、それに最も適した一手を考えるもの。針の太さ、刺す深さ、響きぐあい、顔色の変化、刺激の量、時間、からだの変化、導き出す手は誰一人同じではありません」

 AIに古典を放り込んだとしても、解釈が難解です。データーを入れる前に膨大な編纂過程が生じそうです。誰もこれまでにやったことはありません。

 あまりにもたくさんすぎる情報。一人の人間が一生のうちで1つその真理(データーの簡略化)を見つけるという方法で何代にもわたって向き合ってきた人たちがいます。データーの圧縮です。

 ベーネ治療院で行うはり治療は、一人のグランドマスターにより伝承された古典のデーターの圧縮という形で伝承されたものです。

 AIを超えたといわれる藤井七段ほどの頭脳の人が、何十代かけて創り上げたものを受け取るこちら側が頭を抱えています。

 ちなみに一つの圧縮されたデーターを解きほぐすと、何百何千とおりの回答があるようです。またまた頭を抱えます。

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