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2017年10月

2017/10/30

「トリプル・ビル」 地主薫バレエ団公演

 ロマンチックな「ショピアーナ」、青春の輝きを放つ「卒業舞踏会」、オリエンタルの香りが漂う「韃靼人の踊り」。三部からなる「トリプル・ビル」2017 地主薫バレエ団公演に行きました。

 芸術の秋ながら、雨にふられること半月。待ち焦がれていたバレエ公演もまた雨。

 第一部、ショピアーナとは、フレデリック・ショパンのピアノ曲を管弦楽に編曲したバレエ音楽。レ・シルフィールドともいいます。物語はなく、若き詩人が、月夜の森の中を散策した中での幻想の世界。青白い月の光が、風の精を呼び寄せます。生のオーケストラが奏でるショパンの調べ、お砂糖をとろけさせたようなロマンチックな情景にうっとり。夢の世界に引き込まれていきました。

 第二部、卒業舞踏会。ウィーンの寄宿学校の女子生徒たちはかしましい。何事にも興味津々です。仕官候補生たちがやって来るのもわくわくどきどき。大人たちの恋の行方も気になってしかたがありません。社会に出る前の何でも許せる少女時代は、過ぎてみて初めてわかる宝物のような時間です。日本でよく言われる、箸がころげても可笑しい年頃を、ヨハン・シトラウスの調べにのせてコミカルだけでなく格調高く表現してくれていました。もう一度そんな頃にもどってみたいと思いました。

 第三部、韃靼人の踊り、歌劇「イーゴリ公」より。韃靼(だったん)とは、タタール、今のトルコ、ソビエト、モンゴル、イラン(ペルシャ)辺りの地域です。略奪されてきたペルシャの女たちがコンチャク汗の前で踊らされます。西洋と東洋が交わるかの地で、踊りに違いがあることに気がつきました。どこかオリエンタルの香りがしました。

 戦士や男たちの踊りに勢いがあり、汗と泥のにおいがしました。腰をかがめて縦横無尽に列を組み踊る男たち、女たち。大太鼓とシンバルの地鳴りのような響き。人と音のせめぎ合いは最高潮に。合わせて合唱団が舞台を盛り上げ、印象に残る幕引きとなりました。

 芸術の秋にふさわしいトリプル・ビル三部。生のオーケストラを聴きながら、若い踊り手さんたちの一年の成長を鑑賞できるしあわせに感謝したいと思います。

 

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2017/10/27

晴れやかな顔

 「治療院から出てくる人、皆が晴れやかな顔だったんですよ」

 30年前の開業したての頃からの患者さんが久しぶりに来院されました。その頃3歳だった娘さんも結婚して5ヶ月の妊婦さん。

 「U子ちゃんのはらおびの巻き方を教えるなんて思いもよらなかったわ」

 昔の話をひとしきりした後、U子さんのお母さんが話し始めました。お母さんもおじいちゃんに連れられて小児はりに行っていたそうです。娘のU子さんにも小児はりを受けさせたくて良いはり治療院を捜していました。

 地下鉄日本橋にあった気功堂治療院(ベーネ治療院の前の名前)を通る時、出てくる人が皆晴れやかな顔をしていることに気がついたそうです。名前からは良くわからないけれど、きっとはりが上手な先生がやっているのだろうと思ったそうです。それから30年、ずっと治療に来てくれています。

 はじめて聞きました。

 何よりも晴れやかな顔を一般の人と見分けてくれていたことに驚きました。はり治療を受けた後のおじいちゃんの晴れやかな顔を子供ながら覚えていたのでしょうか。

 小さいU子さんにも何とか良いはり治療を受けさせてあげたい思いがわたしたちの伝承医学につながりました。U子さんの生まれてくる子供さんもきっとはりと縁ができることでしょう。

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2017/10/19

北斎、HOKUSAI

 青と白の大きな波、誇張されたおなじみの水しぶき、小さいながら富士山が威容をはなち、船が果敢に波に挑む。

 三度目の正直で北斎展に行けました。一度目は、平日の昼間にもかかわらず長蛇の列。二度目は、開館15分前でチケット売り場でさえも混み合って断念。三度目は、前売り券をあらかじめチケット屋で買い求め、開館40分前に並びました。日曜日でもあり、9時半と早めの開館で待たずに入場できました。

 美術の教科書でおなじみの富嶽三十六景のThe Great Waveこと神奈川沖浪裏。1メートル以内の至近距離。小さいサイズなのに瞼から脳に直接大きく投影され、それが想像どうりの大きさに膨らみました。

 人の手指のような水しぶき。一度見たら忘れられません。北斎の誇張かしらと思っていました。五千分の一秒の高感度カメラにあのしぶきが写っていました。北斎の眼力のすごさに驚かされます。

 圧巻は、よわい九十歳の正月の作。「雪中虎図」。天に向かって上らんとする虎。愛らしく微笑む姿は、北斎翁に重なりました。もっと極めたい何かを見出し、その喜びに満ちた表情が足取りを軽やかにさせているのでしょうか?虎の表情はわたしを癒してくれました。。翁はこの数ヶ月後に無くなります。

 落款は、朱色の百の一文字。百のおもいは如何(いかん)?

 北斎の余韻にひたりながら会場を出ると、待ち時間90分と係りの人が叫んでいました。

 

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2017/10/09

ホセ カレーラスの自制 2

 胸いっぱいに膨らませ伸びやかなテノールが会場にひびきわたる。「椿姫」(乾杯の歌)。拍手喝采が鳴りやみません。 

 あらためてホセ カレーラスの歌声を聴いてみました。よどみなく、長くながく、申し分ない声量。高音低音割れず、痰の濁音ない。となると食事の自制はいつも完璧か?

 天候の読みはどうでしょう?世界を飛び回る公演の日々は最も注意しなければならないはずです。地元日本人でさえ季節の変わり目は体調を崩す人が多いところです。このところの28度の高温の日は、暑気に近い養生を要求されるでしょう。服も半そででだいじょうぶ。すこしからだを冷やす食べ物でもかまいません。おくらや胡瓜、茄子、季節のくだものの酸味も必要です。梨、りんご、みかんなど。但し、せきをしている時はみかんはいけません。

 雨の日は、日本の梅雨と考えて、湿気を飛ばすために生姜やにんにくを料理に使ったり、ゆで小豆で利尿作用を強めたり。

 飛行機で日本入りしていきなり秋本番の気候(10月20日過ぎ)なら、空気の乾燥と冷気のために肺に直接影響します。のどのいがいが、喉痛、かすれ声など。また、風邪をひくことも許されません。枯れた肺を潤すために、はり治療では、尺沢という肘の前面の穴に針を打ち肺とのどを潤します。かりんをはちみつに漬け込んだかりんジュース、大根をさいころ状に切ってはりみつに即席に漬けたはちみつ大根などがこれにあたります。食べ物も、カレーのピリ辛味より、酸味をいれたものが良いといわれています。ワインをのんで食事をするのも良い方法です。また、豚肉、すっぽんを食べるのが燥季の養生です。

 ヨーロッパの秋は、乾燥がひどく皮膚もかさかさ。たっぷりの保湿剤をつけてはだの潤いを保つと聞きました。秋にきっと強いであろうカレーラスの大阪フェスティバルホール公演は、万全の体制でのぞめることでしょう。公演に行きたかったのですが、仕事のある土曜日でした。残念。

 

 

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