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2016/10/10

荻須高徳展

 ひなびた屋根、うすよごれた壁、グイッと筆に絵の具を塗りつける。そこから、立体の建物が浮かび上がる。堂々とした存在感と重量感。

 はがれそうなポスター、ひらひら風にゆれて、、出窓は、こちらに突き出し、道は奥の奥までつづいている。

 荻須高徳展(ギャルリー為永大阪店、ホテルニューオオタニ)を見にいきました。

 油絵は、ガラス無し。絵の具のは何層にもていねいに、時には力強く。ポイントの赤錆色が、遠くの小さな屋根にまでぬかりなく塗られ、風景全体の一分の隙も計算ずみ。いつまでも見飽きることがありません。

 はり治療で、この絵画たちのようなことをしているのだろうか考えてみました。

 からだの景色を脈や舌で想像する。絵の具の代わりに鍼を使い、からだをキャンバスに見立て、一筆ならぬ一鍼ごとにその出来栄えを脈や顔色の変化で追う。微妙な色使いは、鍼の刺し方で変えてみる。

 目元すっきり、顔色や手足がその人本来のピンク色、バランスの良い体幹、おだやかな心、からだの細胞のすみずみまで活発に動いているのを感じた時に治療終了。

 患者の皆様、わたしが荻須の絵を見ているような心地よさをその時感じて下さればうれしく思います。


 

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