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2015年4月

2015/04/29

94歳の腰痛

 94歳の父親が腰痛になりました。

 見慣れているいつもの動作以上に緩慢に動く父。その途中で痛い痛いの連発です。

 ことの発端は、10日前に親孝行のつもりで旅行に連れて行ったことにあります。機嫌良く帰ってきて疲れがでないと良いけれどと思っていましたが。案の定でした。

 94歳にもなると、はりで痛む腰に効く穴に刺してもスムーズに効きません。痛めた箇所まで障害物が多すぎてたどり着きにくいのです。手足の腰腿点や、督脈の後渓穴にはりを刺してしばらく様子をみます。もちろん横になるのが痛むというので座ったままで。手足や肌を見ていると94年もの長い歳月が感じられました。そして、年相応に治りが悪い。

 ある晩の往診では、はり治療の後、難儀をしてうつぶせになってもらい、特効穴の環跳穴を指圧、腰をゆっくりさすりました。きもちよさそうに目を閉じていたので、子供をあやすように頭をなでていました。

 ベーネ治療院に来られる患者さんたちの平均年齢は、父の半分にも届かず、その分気血の流れがスムーズに動きます。腰痛の治療も早く治る人が多いです。もし、紹介で90歳を超える患者さんが腰痛で来られたら、全力で治療にあたりますが治りが悪い旨も伝えないと、と思いました。

 今晩も往診に行きます。

 

 

 

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2015/04/20

環境とからだ 2 (新治療室)

 新しい治療室の図面とにらめっこ。

 ベットの配置と待合室、受付の想像がつくようになりました。

 わたしたちのこだわりは次のようなことです。

 床は、環境にやさしい蜜蝋仕上げのヒノキ材(高価なので節ありで)、コンクリート面より少し上げてヒノキのフローリング。冷えが直接来ない本物の木の温もり。木が湿気調節をしてくれる。

 壁はシックハウス対応の壁紙、接着材も同様。ドア材、巾木なども同様。

 防炎、不燃カーテン

 天井にはプロペラ扇風機を付け、エアコンの効きを良くすると同時に足元が冷えないよう温度調節ができるように。

 照明は、LED、大きな窓を活かして日中は自然光をなるべく使う。

 ベットシーツや毛布などすべて天然繊維のもの使用。

 使っていただくパジャマは綿100パーセント。なるべく日本製のもの。
 
 隅々に炭を置いて室内空気を清浄にする。もちろん空気清浄機は置く。

 こうして書いてみると、肌や呼吸器の弱い人、冷え性の人、胃腸が弱い人たちが居心地の良い治療室になっていると思います。高価なもの、豪華なものは一切ありません。何より一日中そこではり治療をするわたしたちが居心地の良いように考えました。

 限りなく自然とエコにこだわりました。

 

 

 

 

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2015/04/14

環境とからだ

 「先生の頭の中を見てみたい」

 T子さん(45歳OL)がはり治療のさなかにこう言いました。

 T子さん手足は凍りのように冷たくなかなか温まらないのが悩みの種でした。聞くとその理由は、一日中いる会社のビルの構造にありました。

 コンクリートの上にじかに敷かれた薄いフローリング。エアコンをつけても上ばかり暑い。足もとは冷える。夏でもあまり外に出ない。パソコン業務をしていると下半身が異常に冷える。

 わたしは、T子さんの職場環境をよく聞き脈と舌とを合わせて次のように考えました。

 T子さんのからだは、会社の環境そのまま。頭熱足寒に陽気を回し、頭の熱を足に、足の冷えを頭に回して涼しくさせる。それは、会社のエアコンの温かい空気が下に下りるようプロペラ扇風機を回すのと似ています。「先生の頭の中でどう考えているか見てみたい」という言葉が出てきたゆえんでした。実際、あれだけ氷のように冷たい手足が陽気を回すことですぐに温もってきました。

 扇風機をまわすだけではなく、机の下に断熱マットを敷く。足元に足温器か湯たんぽを置く。ひざ掛けをかける。また、夏には外に出て太陽にあたり汗をかいて陽気の貯金をして欲しいと伝えました。

 湯たんぽとひざ掛けだけで寒い冬をしのいでいたT子さん。さっそく職場の環境を変えてみると言って帰っていかれました。

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2015/04/06

食べる力(胃の気)

 この世に生れ落ちてご飯がおいしくいただける、食べる力があることを胃の気があるといいます。お父さんお母さんからもらったコップの水(腎精)とともに、生きていくうえでとても大切なものです。

 S子さん(39歳OL管理職)は、1週間に4-5回の出張を数ヶ月繰り返し、体中ボロボロの状態ではり治療に来られました。不規則な食事、短時間の睡眠、休日返上、山のような仕事、精神的にも肉体的にも限界を超えていました。

 力なくベットに身を横たえているS子さん、猛烈な肩こりを訴えていました。

 脈は、沈細、無表情、目力乏しい。

 脈を診た瞬間、わたしはS子さんを叱りました。「こんなことになるまで放っておいて」S子さん自身も自分のからだがいつもと違うことに気がついて駆け込んで来たとのこと。

 S子さんは、腎精も胃の気も少なくなって命令をしても動かない状態。大切なものが残り少なくなり、強制停止。、出張に行けない。何もする気になれない。食欲ない。

 はり治療は、ひたすら腎精と胃の気を増やすこと。増やすのにたっぷり2時間以上かかりました。腹くう動脈あたりがスムーズに動くように、その他の内臓が自分の働きを全うするように、はりと温灸で無くなったものを補しました。関元、三里、水泉、衝陽、太渓

 「元気がでてきました、少しおなかがすいてきました、肩こりが無くなりました」

 S子さんを見ると、顔に表情と生気がもどって柔和になっていました。

 「休日返上の働きすぎは、老化だけでなく命をどんどん削ります」 こんこんと言い聞かせました。

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