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2014/04/14

手当てと鍼

 子供の頃わたしが熱を出すと、母は決まってわたしのからだを手でさすってくれました。「はやく元気になーれ」と。

 U子さん(45歳主婦)は、101歳のおばあちゃんと75歳の母親の二人を通いで介護しています。先日とても疲れた顔ではり治療に来られました。聞けば、介護している二人が調子を崩すたびにお見舞いに行き、手当てをしているということでした。

 「手当て?」

 「手でからだをさすってあげるんです。おばあちゃんは楽になったと喜んでくれます。でも、病院から帰る時自分はぐったり疲れます。」

 U子さんのからだを仔細に診て見ました。臍下三寸の関元穴に力がなく腎虚がひどい状態でした。

 わたしは、U子さんに鍼の歴史を教えました。初めは手当てから始まり、次に、石を鋭利に尖らせてあちこちの場所に手の代わりに当ててみる。石から材質が鉄や金、銀、銅とその性質を利用した使い方が考えられ、穴の発見はこの医学をこの上なく発展させる原動力になりました。

 「病気による苦痛を取り除くということは、マイナスエネルギー(邪)が取り去られ、プラスエネルギー(正気)が回復することです。邪はどこへ行くのでしょう?正気はどこから来るのでしょう?」とU子さんに聞いてみました。

 U子さんの優しい手当ては邪気と正気の出し入れに使われとても消耗します。小さいわが子に手当てをするのは母の愛情かもしれませんが、重い病の人を無防備にさするのは危険を伴います。

 手に鍼を持つことは、治療する側の身を守ることにつながります。剣を鍼に持ち替えて武術を医術に発展させた歴史に感謝です。

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