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2014年4月

2014/04/27

バイキング

 ゴールデンウィークに入りました。家族連れでバイキング。たくさんの行列に順番を取るのが一苦労です。

 S子さんは黄色い顔で力なく治療ベットに横たわっていました。4月に新しい仕事に就き久々の連休にバイキングへ。それまでからだがだるく、食べたらすぐに眠くなり寝てしまう毎日だったといいます。疲れと胃腸の調子が悪く食欲が無い状態が続いていました。

 バイキングのメニューには疲れが吹っ飛ぶものがあったのでしょう。その日その時だけ元気が出て、たくさん、たくさんおなかの中に料理を詰め込みました。

 さあたいへん。その夜、吐き気と数え切れないくらいの下痢。2日間寝込んでしまいました。

 「お医者さんにいっても消化剤をくれるだけ。こんな時は、はり治療でからだの整える方がいいと思ってやって来ました。」

 顔、手足の黄色、脈、弱部分的に滑。白に苔、何度も下痢をして弱っている中にバイキングの残骸が残っているようでした。治療に来る前に食べたうどんのせいかもしれませんが。

 はり治療は、足三里(弱った胃腸を整え、消化不良を良くする)、公孫(膵液を出して消化を助ける)、上巨虚(大腸の働きを良くする) 関元(下痢で弱った下腹に元気をつける)、脾ゆ(弱った胃腸を優しく回復させる)の穴を使いました。

 お医者さんの処方される消化剤と比べることはできませんが、S子さんのからだが訴えていることをはり治療で網羅してみました。

 不快だった胃の痞えがとれ手足のだるさが改善しました。バイキング効果は、S子さんのストレス発散にはその時だけは効果がありました。弱っていた胃腸には最悪で、その代償はあまりにも大きいものでした。

 「今晩ごはん抜きます」と小さく微笑んで帰られました。

 

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2014/04/21

手当て  2

Img_2004_1


 母の日の定番はカーネーションと肩たたき券。

 M子さん(38歳主婦)は肩たたき券をもらえないお母さんになりました。

 肩こりがひどいM子さんは、毎日のように小学生の娘さん2人に肩をもんでもらっていました。ひどくなるとマッサージに通い、肩には揉みタコができ岩のように盛り上がっていました。

 初めてはり治療に来院したM子さん、文庫本を片手に持ちベットに入られました。それを見たわたしは本のことを聞いてみました。面白い本なら5-6時間で1冊読んでしまうという。趣味はお菓子作り。消費税が上がる前にお菓子の材料をたくさん買ったことを話してくれました。

 M子さんの岩のような肩こりは眼精疲労によるものと、趣味のお菓子作りにより、甘いお菓子のとり過ぎの二つがミックスしていることが判明。

 はり治療は、足三里(胃腸を整え水分代謝を高める)、公孫(膵液を出し消化を助ける)、太衝(肝臓付近の栄養過多をスムーズにし吸収を速める)、曲泉(目に血液を送り眼精疲労を取る)などの穴にはりを打ちました。

 治療後、岩のような肩は小さくなり柔らかさがもどりました。

 「肩や目が楽になりました。肩にはりをしないのに不思議です」

 「肩痛の相手と武術の試合をする時、肩を攻撃するか、一撃必殺の穴を攻撃するか、速さが勝敗の決め手となります。医療はその逆です。手足にある肩に効果のある穴を脈を診ながら探します。肩そのものにはりやマッサージをするということは、肩こりの凝った結果にアプローチをしているだけで、肩こりの原因の治療にはなっていません。」

 M子さん、家に帰って初めてのはり治療のことを娘さん達に話をしました。肩たたきは手当てでありスキンシップでもあった訳ですが、肩こりはお母さんの養生如何によるということを気づいたのでしょう。

 「もう肩たたきはしなくて良いね」といみじくも言ったそうです。

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2014/04/14

手当てと鍼

 子供の頃わたしが熱を出すと、母は決まってわたしのからだを手でさすってくれました。「はやく元気になーれ」と。

 U子さん(45歳主婦)は、101歳のおばあちゃんと75歳の母親の二人を通いで介護しています。先日とても疲れた顔ではり治療に来られました。聞けば、介護している二人が調子を崩すたびにお見舞いに行き、手当てをしているということでした。

 「手当て?」

 「手でからだをさすってあげるんです。おばあちゃんは楽になったと喜んでくれます。でも、病院から帰る時自分はぐったり疲れます。」

 U子さんのからだを仔細に診て見ました。臍下三寸の関元穴に力がなく腎虚がひどい状態でした。

 わたしは、U子さんに鍼の歴史を教えました。初めは手当てから始まり、次に、石を鋭利に尖らせてあちこちの場所に手の代わりに当ててみる。石から材質が鉄や金、銀、銅とその性質を利用した使い方が考えられ、穴の発見はこの医学をこの上なく発展させる原動力になりました。

 「病気による苦痛を取り除くということは、マイナスエネルギー(邪)が取り去られ、プラスエネルギー(正気)が回復することです。邪はどこへ行くのでしょう?正気はどこから来るのでしょう?」とU子さんに聞いてみました。

 U子さんの優しい手当ては邪気と正気の出し入れに使われとても消耗します。小さいわが子に手当てをするのは母の愛情かもしれませんが、重い病の人を無防備にさするのは危険を伴います。

 手に鍼を持つことは、治療する側の身を守ることにつながります。剣を鍼に持ち替えて武術を医術に発展させた歴史に感謝です。

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2014/04/06

雑誌「美ST」取材 2

 「首から上が別の人のものみたい」美しいモデルさんのK子さんはそう言って何度も首を動かせていました。

 K子さん(40歳主婦、読者モデル)、数年前から薬を飲まないと我慢できない頭痛持ち。そのため首から肩にかけて常に凝っている状態。例によってカメラマンに治療前の両手を挙げた写真と左右の手を後ろに斜めに結べるかどうかの写真を撮ってもらいました。

 K子さんの脈を診ると緩くからだが春になりきれていません。。背部脾ゆ穴で陽気を上げ春らしいからだにすると、脈の底から冷たい脈が表面に上がってきました。K子さんの背部から頭にかけていつも冷たいの風が吹いている状態であることがわかりました。風池、外関、臨丘穴で冷たい風を追い払い、復溜穴で調子を整えました。K子さんに頭痛がとれていることを確認。「首から上が別の人」と言ってもらえました。

 K子さんの辛い症状は、色白のお肌が物語るようにあまり外に出ず、陽気不足、背中にいつも冷えをまとっているからだであることが想像できました。後は、推拿(すいな、中国の医療マッサージ)で、冷えを除いた後の背中をしっかり温める打法を行いました。

 所要時間20分。K子さんの体調を自然界の気候に置き換えはり治療しました。

 「脈は何を診ているのですか?」の答えは、脈のリズムとその形状から、K子さんが今の春の季節と同調しているのか?まだ冬なのか?足らない要素は何なのか?からだのどの部位が不調なのか?腹くう動脈あたりの動きはスムーズなのか?など。

 ライターさんの最後の質問が印象的でした。「はり治療がとても効果的であることが分かりました。先生のゴッドハンド以外の人からこのようなはり治療を受けることが出来ますか?」

 「中華伝承医学を理解するのに時間がかかります。それを極めた人を昔から上工と呼んでいます。道を究める前に寿命が尽きて・・・・・。また、一人ひとりマンツーマンで治療するので大量治療することができません。一般の人が上工の先生を見つけ出すことはなかなか難しいと思います」
 
 後日、K子さんの頭痛は、3日間痛むことがなかったとのこと。もう少しはり治療を継続し養生が必要と考えます。

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