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2013年1月

2013/01/30

dinner

「現状に満足していたらだめだ。おれたち料理人も同じだろ。常に進化し続けることが大切だ」江口洋介演じる料理長江崎は、副料理長に熱く語ります。

 日曜ゴールデンドラマ9時放送「dinner」第2話をみました。イタリアンレストランの名店ロッカビアンカの新料理長は、腕は超一流の料理オタク。料理に関しては妥協を知りません。店の料理人やスタッフたちを振り回します。

 大切なことは素材と調理法。出来上がる味がすべて。それ以上でもそれ以下でもないと言い切ります。ドラマを見ていてどこかはり治療に通ずるところがあると感じました。素材である患者さんの苦痛に、調理法ならぬはっきりした治療法、出来上がる味ならぬからだのフィット感、爽快感、痛みなどが取れる、効果があるとの実感。それ以上でもそれ以下でもない。

 冒頭の常に進化し続けることは料理人に限りません。はり治療にとって進化とはどういうことでしょう?わたしは、20代の駆け出しの頃、10人中1人も満足に治療ができませんでした。以来35年以上の臨床の中で試行錯誤の連続。これでいいと思ったことは一度もありません。精巧で緻密そして繊細な感情を持つ人のからだ。脈をみて、舌を診て、腹や顔を診て不調を解き明かしていくことは、いつも新鮮で飽きることがありません。

 中国前漢時代に鍼灸の聖典、黄帝内経(こうていだいけい)が編纂されました。それから2千年後の今日、はり治療は口伝(くでん)による伝承の上に成りたっています。人ひとりの進化を次の世代に伝えていくことも重要な使命となっています。

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2013/01/20

シャワーの人

 色白で色素の薄い感じのするT子さん(39歳書道講師)は、小学2年生の女の子のお母さんです。数年来の腰痛で来院されました。

 問診表に目を通しました。夜のお風呂がシャワーとなっていました。「いつごろからシャワー生活ですか?」「学生時代からで20年くらいです。」「この寒い時にも?子供さんもいっしょ?」「はい」「ご主人もシャワーですか?」「はい」

 暦では大寒、一年で一番寒い時期です。湯船にはお湯は入っていない、シャワーの湯気が立ちのぼる中、子供さんとのバスタイム風景が目にうかびました。

 シャワーにする理由が、時間が取れない、風呂洗いも面倒くさいというT子さんに、からだの芯が冷え切ってしびれるような腰痛とお風呂の時間短縮とどちらを取るか天秤にかけてもらいました。子供さんが大人になった時、シャワー生活が普通の習慣になること、T子さんと同じように腰痛はもとより肩こり、冷え性、生理痛になることを伝えました。

 一日24時間中、15分のバスタイムしか取れないT子さんの生活時間も聞かせてもらいました。書道講師の時間が不規則、子供を早く寝かさないといけないことなどでした。

 脈 沈緊細、舌 紅舌乾燥 腰部全体のこわばり 

 はり治療は、足陽関、湧泉、太渓、交信、環跳、崑崙、そして腹部と腰部を温めました。

 腰痛は、姿勢が悪いせいだと思っていたT子さんに、お風呂に入る際、ヨモギ(漢方薬局に売っている)を入れてしっかり温まるように伝えました。
 

 

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2013/01/14

加賀赤絵展

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 洋風テーブルの上にディナーセットが並ぶ。一段と目を引く加賀の赤絵の壷や絵皿。ナイフやフォーク、スプーンのそばにさりげなく置かれている湯飲みやティーカップ。盛り付けられたテーブルフラワーの存在を忘れる程。明治時代のフィラデルフィア万博(1876年)、パリ万博(1878)で欧米人の目を一瞬でくぎ付けにしたであろう風景が、会場で再現されてありました。

 魅惑の赤、きらめく金彩 「加賀赤絵展」 京都高島屋 を見に行きました。華やかな九谷焼の赤絵は、江戸時代中国との交易を通してもたらされた陶磁器の模倣から始まりました。時の大名や商人たちの心を魅了し、茶の湯や食文化の中で日本独自の円熟期を迎えます。前面に小紋と絵画をで埋め尽くされた陶器、その精緻できらびやかな文様は、息をのむ美しさです。幕末に、京都から金彩が伝えられ、絢爛豪華のひとことに尽きる域に達しました。

 加賀赤絵をうみだす陶工のことを考えてみました。雪が降り積もる、雪国の長い冬。一面の白。すべての色彩は白色に変えられ底冷えの寒さ。

 赤い色を白い陶器に一筆ずつ塗っていく。朱の赤は、目にも暖かく、底冷えの寒さに温もりが伝わってくる感じがします。金彩を加えて豪華な中に重厚味がでます。陶器が、金襴緞子の着物を着ているように塗り上られていく。京都の友禅に決してひけをとらないように。彼らの心意気が伝わってきました。

 わたしは、素朴な陶磁器が好きです。今回はじめて加賀赤絵をあしらったテーブルディナーセットを見ました。心が豊かになる品々でした。自然に頬の筋肉がゆるみました。欧米の人たちがジャパンクタニのとりこになったのも良くわかるような気がしました。

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2013/01/11

センター直前

 T君(高校3年)のお母さんから電話がありました。T君が正月休み中、昼間起きれないで寝ている状態だということでした。

 お母さんに付き添われてタクシーに乗って来てくれました。一人っ子のT君、家では口数が少なく、あまりお母さんと話をしません。「しんどい、からだがふらつく、肩が痛い」とだけ言う、ということでした。

 ベットの上に横たわるT君は180センチのイケメン。青黒い顔。小学6年生の時、始めてはり治療をした時のことをいつも思い出します。「はりなんか嫌や」と治療室の前で駄々をこねていたのに、治療後、お母さんに「また来たい」と言ったことを。以来、何かある毎にはり治療に来てくれるのでした。

 本人に訳を聞いてみました。センター試験直前で朝方シフトにしていること。学校は直前なのであまり行かなくてよい。塾が正月休みになって、一人で勉強していること。朝のうちはいいけれど、昼から足がふらつき頭がぐらぐらする。地面が揺れる、頭が痛い、肩が痛い、からだが痒い。それで、昼からはずっと寝ている。 

 脈を診てみました。細渋。血が足りません。半月前に来た時には分厚い英語の単語帳を待ち時間に覚えていた姿を思い出しました。「何時間勉強するの?」「一日中、今は昼から集中できないから寝てる」 

 長時間、長期戦の受験勉強は、目を酷使し眼精疲労が溜まります。「たくさんの字を目から脳に伝えるために、脾臓で作った血液を肝臓に送る、肝臓から目に送られる血が足りない状況。そうなると、地面が揺れる、めまいがする、肩が痛い、アレルギーでからだが痒くなるといった症状がでるよ」とT君につたえました。

 はり治療は、三陰交、曲泉、陰谷、三里、血海、風池などの穴を取りました。ブルーベリーやプルーン、ほうれん草、を食べる、目の蒸しタオルをするといった養生を教えました。

 18歳の春は目前。センター試験と本試験が立ちはだかります。不安と恐怖、葛藤、プレッシャー、その先に見え隠れする一筋の光。T君一人ではない全受験生が直前に陥るさまざまな体調不良。

 地面が揺れると言う恐怖。自分のからだの中で起こっていることを理解したT君は、やや安心した表情で帰っていきました。家族を巻き込んでのセンター直前。お母さんも心配でクタクタのようでした。 

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2013/01/01

笑い

 大晦日の夜、チャンネル権争い3対2で負けて紅白歌合戦をビデオで撮り、ダウンタウンのガキの使いやあらへんで大晦日年越しSPを見ることになりました。

 夕方に長男と長女が水餃子と焼き餃子をたくさん作ってくれたので、ガキつかを見ながらの年越し。

 笑うまいと浜ちゃんと松ちゃんたちに襲いかかる笑いの地獄。つられる程に笑いの連鎖が広がり、気が付いたら家族全員笑い転げること数えきれず。顔の筋肉は、笑いすぎて痛くなり、腹筋も痛いという現象、何年ぶりのことでしょうか?年忘れ、苦しいことは笑いの中で浄化され、笑いの後は、たくさんの餃子を食べたのにもたれずスッキリ寝ることができました。

 若いころと違って笑うことが少なくなりました。テレビの笑いなどを意識的に取り入れることは大切なことだと思いました。

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