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2012/10/28

狼の群れと暮らした男

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 ロッキー山脈の森の中に野生狼と接触を求め、飢餓、恐怖、寒さ、孤独、を克服し、ついには、狼に受け入られた英国人の記録。

 「狼の群れと暮らした男」 ショーン・エリス+ペニー・ジューノ著 築地書館 を読みました。

 自然の森林の中は、草食動物、肉食動物の生態系が昔から連綿と続いています。人間が発展するたびにかれらの世界を少しずつ侵食していくという問題が起こっています。オオカミは、いつ、いかなる方法で、どこで、狩猟すべきかを知っています。それは、世代交代のたびに本能的に伝えていくという稀有な知能を持っている野生動物なのです。

 著者は、群れの中に受け入れられ彼らと2年にわたりいっしょに暮らす中でそれを実体験しました。群れの中の序列、オスとメスの役割分担の観察は、人間が飼っている犬の飼育や矯正に役に立ちました。また、オオカミが人間の農場の家畜を襲う訳とその対処法は、なるほどと思わせるものがありました。

 対処法とは、農場から別のオオカミの群れがあり、農場の縄張りはその群れがいるという遠咆えの録音テープを流すことです。オオカミはそれ以上近づくことがなくなりました。

 著者は言います。「人間は、この地上で優位な生物として発展しています。人間より下の動物をどうやって管理できるのかがまださっぱりわかりません。動物たちが自然に行ってきていることを、人間は万物を制御するバランスの維持をどうしたら良いのかわかりません。たとえば、ねずみや害虫は、野生の中で生きることができます。かれらは、死骸を常食しえさのある無しで制限されます。自然はかれらが制御不能になることを許しません。溝に食料を投げ入れたり街角にゴミ箱をあふれさせたりしたおけば、かれらを市街地に来て下さいと呼びかけているようなものです。かれらの繁殖本能が狂うのは驚くにあたりません。私たちが責任ある行動をとれば、私たちの下の動物も責任ある行動をとるでしょう。」

 また、私たち人間は、制御不能に陥りやりたい放題で飽食です。ネイティブアメリカンは、価値あるものを適度の量しか食べませんでした。肥満せずかつては地上で最強で最も健康体でした。そして自然の生態系も崩しませんでした。今、かれらは、白人の食べ物を食べて肥満し、農薬品に毒されています。癌の罹患率も高くなっているのは、偶然とはいえません。

 私は、自然と動物の生態系をとうして学ぶところが多いと思いました。そして、今、人間が自然に対して陥っているさまざまな危機的状況を改善していく鍵がそこにあると思いました。

 秋の夜長に目をこすりながら興味深く読めた一冊です。
 

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