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2012/06/13

コッペリア

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 そこには、ポーランドの田舎の風景が広がっていました。非日常の中の日常。

 地主薫バレエ団公演 「コッペリア」 を観に行きました。恋人同士のフランツとスワニルダ。人形のコッペリアをめぐって二人の恋模様は二転三転します。

 今年は、例年以上に緊張と期待が入り混じっての鑑賞となりました。車椅子の主人といっしょだったからです。
 全三幕の構成は、バレエの素人の私たちでもわかりやすく、充実した内容でした。

 オーケストラが始まる前のざわめきは、観衆の期待をこめた暗黙のメッセージ。曲が流れ出して、少しずつコッペリアの世界に引き込まれていきました。

 バレエは、せりふのない舞台芸術。コッペリアのオーケストラにのって、あらゆるシーンに、見る側も流れをくんで意識を合わせていきます。受け手の心の中のことを考えていました。恋人同士でバレエを観に来ている人は、フランツとスワニルダたちの恋の行方にはらはらするのでしょうか?親子では、綺麗な衣装のダンサーたちの演技に魅了されることでしょう。

 車椅子の主人と来たわたしは、ダンサーたちの力強い踊り、しなやかな筋肉の動きの仔細ばかり注目していました。歩くこともおぼつかない主人と、弾けるような若さと情熱で踊るダンサーたち。毎日の練習の積み重ねと体力維持。最後まで踊りきる精神力、集中力。細やかな身のこなしに、動きの無限性を感じました。

フランツが人形になりすましてスワニルダたちを驚かす、 人形のコッペリアとスワニルダとの早着替え、など地主薫ワールドが随所にちりばめられ、第三幕の晴れやかな村の結婚式を迎えます。

 老人コッペリウスと若者たちの和解を経て、華やかな村のお祭りが始まります。気難しいコッペリウスには、ロシア国立モスクワ音楽劇場バレエ団のドミトリー.ザバブーリン氏をゲストに迎え、全体をおもしろおかしく、時には哀しく、舞台に演技の彩りを添えていました。ポーランドの田舎の祭りの風景は、衣装、装置、照明、音楽などにも配慮がほどこされ、舞台の中の日常を違和感なく鑑賞できたのは、お見事といえるでしょう。 

 昨年の地主薫バレエ団は、若い世代の台頭と新しい方向性を見せていただきました。今年は、原点に戻って、かれらの底力を華やかさの中から見出すことができました。

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