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2012/03/26

幸せな子  アウシュビッツを一人で生き抜いた少年

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 アウシュビッツを一人で生き抜いた少年とはどういう少年だろうと思いました。

 「 A Lucky Child 」 トーマス,バーゲンソール著 朝日新聞出版 を読みました。トミーはポーランド系ユダヤ人。アウシュビッツからザクセンハウゼン強制収容所への死の行進の後、1945年ソ連軍に解放されました。わずか10歳、日本の小学4年生の年齢です。当時、役に立たない子供たちは皆殺しされ、生き残るのは奇跡に近いことでした。トミー5歳の年、ドイツ軍のポーランド侵攻により強制収容所生活が始まりました。

 飢えと病魔、凍りつくポーランドの冬、両親との別れ、死の選抜、子供の虐殺、死の行進、そして解放にいたるまでの5年間は、筆舌しがたいものがありました。 Lucky が意味するものは、しあわせ、運がいい、要領がいいことを連想します。なんども死に直面し、常に死と隣り合わせの日々の中で、10歳に満たないトミーは、生きる、生き延びることに勘と知恵をしぼります。生命力があふれていたことも一因だっただろうと思います。たくさんのLuckyと多くの人々の手助けにより命を救われることがなんどもありました。

 多くの絶望と困難の中、強制収容所内外の大人に混じった小さいトミーは、天使と呼ばれていたといいます。絶望の中の特別な存在は、すさんだ大人たちの生きる希望になっていったのかもしれません。

 2008年現在、トーマス、バーゲンソール氏は、国際司法裁判所判事となり国際人権問題の専門家として活躍しています。悲劇の中に身を置いた彼だからこそ、この仕事に魅せられたのだと思います。法律を強化して、ナチがユダヤ人にあたえたような悲劇から人々を救いたい、彼の言葉に、彼の人生の暗部と未来の希望の両方を感じ取りました。


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