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2010/11/17

ドン・キホーテ

 騎士道は、中世ヨーロッパでのナイトの心意気。ドン・キホーテは鎧と槍に身を固め理想のドルシネア姫を捜しに旅に出ます。

 地主薫バレエ団公演「ドン・キホーテ」を見に行きました。

 スペインは情熱の国。地中海に面したバルセロナは、輝く太陽がふりそそぐ活気あふれた町。広場には宿屋の娘キトリと床屋の息子バジルが友人たちとおしゃべりを繰り広げています。昨年の「クルミ割り人形」にひきつづいて主役を務める二人は、2010年第9回アメリカ ジャクソンバレエコンクールにてそろって銀賞を獲得した実力派。太陽に照らされた褐色の肌によく似合う衣装で踊る二人。キトリの柔軟な背中の反り、トウシューズが宙に舞っているような軽やかな足取り。一方バジルは、一段と足の筋肉が太くたくましくそれでいてシャープさを失わない。数年前の華奢な彼がリフトを軽々こなすことができるようになっていました。

 ドン・キホーテの鎧と槍は、バルセロナの町でも古くさく浮いた存在でした。親のすすめる縁談から逃げる二人の恋の仲裁をすることで、ドルシネア姫の幻影を見いだすことができました。ジプシーの踊りでは、統制のとれた群舞が情熱的で見応えがありました。嵐の暗黒色から突然の白い光・光・光。不安と予感と期待が光りの方向へ何度も目を凝らすことに。

 夢の場は、光の暗示したとうりドン・キホーテが慕わしいドルシネア姫と踊るシーン。老いた彼にドルシネア姫の若さと可憐な姿態がひときわ映えて見えました。

 男性ダンサーが3列になって陽気に踊る酒場。力強さがバレエの量感を増していました。白いイメージから一転、透明のブラウン一色に変わり、賑わいと熱気むんむんがこちらにも伝わってきました。コミカルなバジルの狂言自殺もわかりやすく、思わずくすりと笑ってしまいました。和気藹々の雰囲気は、最後のキトリとバジルの結婚式へとつながります。

 バレエには、言葉がありません。日常私たちは、言葉を通じて意思疎通をはかっています。慣れた日常から、言葉を無くしたバレエ公演を見ていて遜色なく思うのは、バレエが総合芸術であるということだと思います。ダンサーたちの熱のこもった演技の上に、練り上げた振り付け、音響、衣装、忘れてはいけない今回の照明、舞台装置、時代考証等、素人の私にはわからないところまでの深い気遣いを含めての総合芸術です。

 地主薫バレエ団でいつも関心させられるのは、舞台に立つ一人一人がそれぞれ自然にその持ち場で演技をしていることです。踊っている人もそうでない人も気持ちを一つにして舞台を盛り上げている姿勢に惹かれて、今年も公演を楽しみにしていたのでした。

 最後に、今年の猛暑の中、集中力が途切れることなく一つの目標に向かってやり遂げられたこと、を高く評価したいと思います。私の針治療室では、熱中症、夏ばてで体調をくずされた患者さんが続出しましたから。

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