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2009/12/16

醤(ひしお)

 薄暗い蔵(登録有形文化財)の中、カビと醤油のこもごも混じったなつかしい匂い、数十個の人の背丈を越える大きな杉樽、その中には、発酵過程のモロミが満々と満たされています。蔵の壁や梁には、飛び散ったモロミや塩分がこびりつき、腐食した層が蔵の歴史を物語っています。

 先日、小豆島の醤油工場に行きました。江戸時代から始まった醤油作りは、瀬戸内の温和な気候、瀬戸内でとれる塩、九州産の交易大豆の三拍子に恵まれ400年前から盛んに作られるようになりました。
 
 醤(ひしお)とは塩を加えて発酵させたものの総称。米や大豆と種麹(こうじ)に塩水を加えて発酵熟成されたものがモロミです。麹に含まれる酵素のうち、アミラーゼ群は、米、麦などのデンプンを分解、プロテアーゼは大豆のたんぱく質を分解しうまみのもととなります。モロミの中には発酵微生物がたくさん生きています。この日見学した杉樽は明治時代からのもので樽に棲みついている酵母菌の数たるや...。

 杉樽のモロミを長い竹棒で混ぜさせてもらいました。熟成するほどに重く密になり撹拌するのもたいへんそう。2年ねかせた後、発酵をとめるために火入れとろ過がおこなわれ醤油ができあがります。

 夕食に蔵元の醤油が出されました。匂いをかいだ後なめてみるとあの杉樽の匂いが。おなかの中に幾億もの酵母菌が下りて行くような気がしました。

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