« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »

2008年11月

2008/11/26

夏の仕舞い

 ふたを開けるとぬかの匂いがぷーんと漂う。冷蔵庫の片隅のぬかずけの容器。

 熱い夏の盛りにはきゅうり、なす、瓜、みょうが、と毎日のように手を入れて漬けていました。ぬか床はどんどん発酵して美味しい匂いを醸し出します。家族が食べるスピードに合わせるために発酵を遅らせる裏技が冷蔵庫でした。

 季節が変わり路地もののきゅうりやなすが姿を消し、大根、白菜、きゃべつ、にんじん、ごぼう、緑野菜、芋類が店先に並んでいます。暑気はらいにぬかずけの酸っぱいものを食べる必要がなくなりました。体を温めるために、煮物、鍋物、煮込み料理が主流です。お漬け物の出番は、食べ過ぎの後弱った胃腸をたすけるために少し必要かもしれません。肉料理の後のあとくちにも少し欲しい。

 久しぶりのぬか床の手入れ。ぬかの半分はビニール袋に密封して来年の夏まで冷蔵庫の片隅でお休み。後の半分は、ぬかを足して白菜を漬けました。

 夏の仕舞いは、冬に向かう心の切り替えになるものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/19

黄金スープ

 コト コト コト プクッ プクッ 大鍋の中を覗くと、透明の黄金スープが鶏ガラの間からガスの炎にあおられて小さく波打つ。

 木枯らし一番が吹いた日、デパートの鶏肉屋さんに地鳥の鶏ガラを買いにいきました。一個105円を二つ。鍋に水とローリエ、たたきつぶしたニンニク一かけ、酒かみりん少々、ねぎ、セロリの葉、生姜は輪切り、冷蔵庫のくず野菜、あれば卵の殻{あく取りになる}を入れて沸騰する直前に弱火。アクを取りながら2-4時間そのままにしておきます。決して沸騰させてはいけません。鶏ガラを丸鳥にすると超豪華な黄金スープになります。

 チキンスープの匂いがやんわりがただよっている台所。窓の外は木枯らしが舞う。来るべき冬の心の準備と実益を兼ねた寒がりの私の至福の時間。この日はおでんのだしにスープを使い、残りは牛乳パックにストックしました。いつでも黄金スープが使えるとなると寒い冬の献立の力強い味方になります。

 そして体が温まります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/12

真夜中の宴

 ジュージュージュー、テーブルの上にはできたての餃子山盛り。居酒屋の店内はおいしそうなにおいと談笑の声が入り交じって異様な盛り上がり。午後11時過ぎの大阪ミナミ。

 仕事の打ち合わせで、夜診が終わってからミナミの繁華街に食事に出かけました。いつもはとっくに夕食は食べ終わっている時間です。ゆっくり運ばれてくるコース料理を食べているうちに時間の感覚が麻痺するようで、いつまでも夜は続くような錯覚に陥りました。気がつけば11時すぎ。追加注文が餃子山盛り。注文したのは20代の若者達。あっという間に平らげていく姿を驚きのまなざしで見とれていました。 

 胃腸は夜食が苦手です。夜食は肝臓に負担をかけます。

 夜8時を過ぎると消化力がグーンと落ちてしまいます。真夜中にワイワイおいしく食べたものは消化せず未消化状態で朝まで胃に留まっているのです。一方、体の中で一番大きな肝臓は、夜消化した栄養物を吸収して新しい血液をつくって肝臓に貯めておきます。未消化のままの昨夜の胃の中の物は朝になりやっと消化しだします。肝臓はそれを受けて中途半端な栄養物を吸収しなければならないのでとても負担がかかります。夜食の次の朝は、手足が重くて体が動かないと感じたことはありませんか?

 真夜中の宴はとても魅力的です。誘われるようなおいしいにおいがします。しかし、これを知っている人も知らない人も夜食を続ければ同じように体調をくずします。

 知ったあなたはどうしますか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/05

タイムカプセル 正倉院  

 とてつもなく大きい黒い建物は東大寺のはずれにどーんと腰をすえて建っていました。

 長さ2,7メートルの数十本の四角い足の上に黒い偉容を放ったそれは1200年余りの時を往時の姿のままにあるという事実。私は、初めて見る正倉院から目が離せられませんでした。

 日本史の教科書に載っている写真は豆粒程の大きさしか見えません。実物の迫力はまさに黒いタイムカプセルという言葉がふさわしいと思いました。檜造り、本瓦葺き、北倉、中倉、南倉をあわせた間口33メートル、奥行き9,4メートル、総高14メートルの長方体。世界遺産。黒く見えた外壁は、1200年余りの歳月を経た校倉造りの檜の姿でした。

 檜のタイムカプセルの中に個々に箱に収められた内外9000点の宝物たち。湿損、虫害、退色など防ぐために8世紀当時の人々がありとあらゆる英知を集めました。シルクロードからの到来物は当時のままに本来の光を放っているように見えました。

  現在は、近くの鉄筋コンクリートの空調設備の行き届いたところに保管され後世にその輝きが残るようにひき続き地道な努力が続けられています。正倉院と正倉院展、この二つを同時に見ることにより心を揺さぶられた本質が何だったのか少しわかったような気がしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »