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2008年6月

2008/06/20

美しい顔

 無邪気に遊んでいる子供はとてもかわいく見えますね。同じ子供が力無くぐったりしている時はあまりかわいく見えません。どうしてそう思うのでしょうか?

 子供らしい顔色はきれいな肌色でしょう。赤色だと熱があるかもしれません。青色ならお腹が痛い、白色は風邪のひきはじめ。黄色は食べ物を詰めすぎ。黒色は疲れすぎ。顔色でもこれだけの判断ができます。

 見やすい子供から大人を診てみましょう。生活環境が複雑になり食生活も乱れがちになると顔色もたとえば赤黒や青黒と複雑に混ざりあいます。また顔の筋肉が引きつったり伸びたりで左右対称でないことも多々あります。眉間が頭。鼻が胴体。両手が眉毛のあたり、両足がほうれいのあたり。異常があるとその部分の色の変化、筋の引きつり、ゆがみが出たりします。経絡に異常があればそのラインの動きが悪く顔の表情が不自然になります。疲れた時は顔の表情が乏しく、嬉しい時は顔全体が生き生きしています。そのまま体の体調を表しているのがよくわかります。

 美しい顔とは体の内面が整っているということです。若い頃は、かなり羽目を外してもすぐにからだも顔も元に戻りました。30歳を越えるとそうはいきません。50歳60歳までそれなりに美しさを保とうと思う人は少しばかりの養生が必要です。規則正しい生活と食事、睡眠、適度な運動。それがうまく季節に応じていなくてはいけません。

 内面を整えるにはどうすればいいのでしょうか?胃腸の働きを良くする。寝るスタミナをつける。ストレスを和らげる。冷え性を緩和する。内臓の働きを活発にする。便通を良くする。風邪をひきにくくする。すべて鍼治療の適応範囲です。針治療後にピンク色の美しい顔に戻ればその治療は成功です。

 美しい顔、女性の永遠のテーマ。鍼治療はその一役を担っていると自負しています。

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2008/06/13

指輪

 清楚なその人は右手の中指に指輪をはめていました。

 ビーズのお手製で白と茶の格子模様。「渋い」の一言に尽きました。診療中の一こまです。30代の女性。職業パン製造業。ここまで聞き出したところですべて想像がつきました。きっと天然酵母のパンでしょう?きっとお菓子パンはあまり作っていないでしょう?きっと歯ごたえと旨みで勝負するパン屋さんでしょう?そのとうりでした。一つの指輪からその人の性格、仕事のこだわり、将来の目標などが想像できました。清楚な中に消極的なところが見えたのでファッションのワンポイントだけでも派手にすることをアドバイスしたのですが。

 ベーネ南船場治療院に来院される患者さんのその日その時の顔色やしぐさ、姿勢、歩き方、雰囲気、髪型、服、持ち物、アクセサリー、ネイルなどを観察しているといろいろなものが見えてきます。治療や養生のヒントがそこにはたくさん隠されています。玄関のドアが開く前から私たちは耳を澄まし五官をとぎすませて待っています。

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2008/06/06

東医宝鑑

Photo
 古びたその本は実家の書棚の片隅にありました。鍼灸師の父親の蔵書でした。幅5センチほどある分厚い装丁の色は年を経る毎に渋みをまして薄茶色に変色。

 そんな折り「ホジュン」のビデオに出会いました。ホジュンは16世紀末の朝鮮王朝時代実在した韓医師です。鍼灸治療にたけ庶民にわかりやすい方剤を使って病の治療をし、最後には王の主治医にあたる御医になりました。ホジュンの著した「東医宝鑑」は中国の李時珍の「本草綱目」と並び評されています。

 中学生の時から眺めていた「東医宝鑑」は40年後に鍼灸師となった私と本当の意味で出会いました。内容は湯液を中心に当時のあらゆる知識を網羅した臨床医学の百科全書です。内科、外科、雑科、湯液、鍼灸の五つに分かれています。。何千何万の病人の診療記録の集大成が一つ一つの病気の処方となって残されていることに驚きました。貧しい庶民が手に入れやすい薬も多く「東医宝鑑」無くしては今の韓医学は語ることができません。日本には江戸時代に伝えられています。

 難しい患者さんに遭遇した時ホジュンだったらどうしただろうと考えます。ビデオのシーンと思いが重なります。「東医宝鑑」から読みとれるホジュンの心医のような姿勢は現在の世の中でも希。ホジュンのようになりたいと心から思いました。 

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