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2008年2月

2008/02/28

どこの鶏?

どこの鶏?

  「これはどこの鶏?」鶏肉を一口かんだ瞬間ジュワーとした濃厚な味が口の中に広がりました。鶏鍋をした時のことです。
 
 それは平飼いの紀州鶏でした。広い鶏舎の中、太陽をたくさん浴びて100日以上飼育されたものです。遺伝子組み換えをしていない飼料を適度に食べよく歩き回っているので、肉に歯ごたえがあります。「どこの鶏?」と聞くぐらいインパクトが強い味でした。

 スーパーで売られているものはどうしても水っぽく味がありません。その違いはなんでしょうか?市販鶏の多くはブロイラーと呼ばれています。卵からかえって2ヶ月で出荷されます。約60日の間に大きくなるよう濃厚な飼料を与えられ、病気を防ぐために大量の抗生物質を投与されています。鶏舎は薄暗く、狭いオリの中に何羽も押し込まれています。ゆっくり歩くこともできずストレスと肥満で60日になる頃には小さな足で立つことも出来ないものも多いと聞きます。


 味の差が何であるか簡単に想像がつくと思います。値段の差は多少あるものの、鶏本来のおいしさ、薬効としての体を温める力を同時に手に入れたい人は前者がおススメです。

 平飼い鶏の骨を砕くと骨の髄が密。ブロイラーの方は粗。いささか骨粗鬆症ぎみで容易に砕けます。こくのあるチキンだしをとろうとすると平飼い鶏に軍配が上がります。鶏の事情は人間社会のある一面を見るようで興味深く、人間の操作によってできあがるものが全く違うことにも驚いています。

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2008/02/22

「楽器」の体

  
 ソプラノ歌手 田村麻子さんの話が2月17日朝日新聞に掲載されていました。
 歌劇場で「ルチア」などを歌い、昨年はニューヨークのリンカーンセンターで2つのオペラの主役を務めた実力派です。

日本人が欧米人と競って主役の座を射止めるには並大抵な努力では出来ません。彼女は「観客が自分が日本人であることを忘れてしまうほどの実力がないと受け入れてもらえない」と言っています。言葉の壁、東洋人の顔立ちのためずいぶん苦杯をなめさせられたのだと思います。

苦節*年、晴れ舞台で歌う彼女には強い決意がありました。

「楽器の体」は睡眠で守ること。世界中を飛び回る不規則な生活は体調管理を怠ると大変なことになります。9ー10時間多い時には13時間という睡眠時間の確保は、腎を安定させます。これは、腹の底から声を出すことができるのです。加工食品は避け、ジュースやサプリメントでなく野菜や果物を取ると徹底しています。おそらく、胃腸の管理もできているのでしょう。食事の不節制は痰がらみの声に、風邪をひくと声がかすれます。ソプラノ歌手にとって美しい声を保たなければならないプレッシャーははかりしれません。プロとして睡眠時間の確保は自ら体得した究極の自己管理法であったとおもいます。
 
 新聞記事は「自分を褒めストレスをためないこと」で結ばれていました。ストレスがたまると声が伸びやかになりません。「楽器の体」には避けなければならない重要事項なのです。田村麻子さんの今後益々の活躍を祈った次第です。

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2008/02/11

運動不足は細胞10歳老化

 「運動を普段しない人はしている人に比べて細胞の老化が10年分早く進むということが、英ロンドン大キングカレッジなどの研究でわかった」と2月9日朝日新聞で伝えています。
 
 老化を示す指標の一つとされる白血球の染色体にあるテロメアは細胞分裂する毎に短くなり減っていく。運動していない人はしている人に比べてテロメアは200基対以上短い。つまり生物学的に見て運動している人に比べて10年近く老いていることになるというのです。裏を返せば、運動を週に3時間以上適度にする人は同年齢で運動をしない人に比べて10年近く若いということです。これは染色体や細胞レベルのお話です。

 不老長生を目指す東洋医学的にはどうでしょう?針灸、漢方、導引術を行って胃腸の調子を整える、季節に応じた養生をあわせて行えば不老長寿ができると言われています。針灸治療を行った後、顔色がピンク色になり、目鼻立ちがすっきり整い、お肌のきめ細かくなります。胃腸の働きもよくなり身体が軽いと感じるでしょう。外見上からも身体が活性化されているのがよくわかります。この上に適度な運動が加われば鬼に金棒というところでしょうか。
  
 東洋医学では、顔や舌、脈、お腹、手足を観察して、身体の中の状態を知ることができるように体系ずけられた学問です。近年その理論が徐々に科学的に解明されてきています。人体、この未知なる世界は不老長生という永遠のテーマを掲げて洋の東西を問わず大いに研究されていく必要があると思いました。

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2008/02/04

「漢方小説」 中島たい子著を読んで

31歳 独身 脚本家 川波みのりは胃が裏返るような激しい痛みにみまわれます。仕事のしすぎに加え、モト彼が結婚することにショックを受けたのが原因らしいのです。病院を4つ変わり、5つ目で東洋医学の漢方治療に出会うというストーリーです。

5つ目の漢方診療所の門をたたいた時に何ともいえない懐かしいにおいがしました。これまでの西洋医学の無機質なにおいから東洋医学の世界につきもののにおいの洗礼でした。漢方治療では草根木皮の生薬のにおい。針灸治療ではさしずめお灸のもぐさが焼けるにおいでしょうか?

彼女は漢方治療を選択しました。わかりにくい陰陽五行説、五臓六腑、気血、七情がストレスに関係していること等、おしゃべり友達との会話が糸口になって専門書を読みあさります。
東洋医学の針灸治療にたずさわっている私は彼女がこの世界にゆっくりはまっていく姿に興味がありました。彼女は今の自分がどうなっているのか、どうすれば元通りの元気な身体になるのかとても知りたかったのだと思いいます。わかりにくいこの医学の考え方をわかりやすく伝えてあげる必要性を非常に感じました。

今や食前に漢方薬をお湯に溶かして飲むというのが習慣ずいた彼女は、ゆっくり気力と体力をとりもどしていきます。ストレスで揺れ動いた情緒不安定が平常に戻る頃、「健康維持のため今度は針灸もやろうかな」と友人に話しているところで話が終わります。彼女にとって初体験である針灸治療がどのように目に映ったのか知りたいと思いました。

       漢方小説  中島たい子著  集英社文庫  400円  第28回すばる文学賞受賞作品

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