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2007年9月

2007/09/17

シンデレラ

 真夏の夜のバレエ公演、「シンデレラ」(地主薫バレエ団)は残暑厳しい8月の末に行われました。
作者はフランスの文人、シャルル・ペロー。
シンデレラは灰かぶり という意味です。
絵本を読んだ多くの子供たちは、次のキーワードを知っています。
魔法使いのおばあさん、カボチャの馬車、舞踏会、12時の鐘、ガラスの靴。
バレエは言葉のない芸術。
テレビの映像と言葉に慣れた子供たちにお馴染みの物語をどう見せるか、それがとても楽しみでした。

シンデレラは新しい継母のもとで小間使いのような毎日を送っています。
抱きかかえる胸、しなやかな足腰、手指の先まで神経がゆき届き、踊りにスケールの大きさが感じられました。
脇をかためるのは継母役の法村牧緒さん。
背中の筋肉のわずかな動きで喜怒哀楽を表現するのはさすが。
深紅の服を着た継母の一挙手一投足には目が離せません。
シンデレラに対しては小言の一言が聞こえてきそうでした。

高慢地機で意地悪な二人の義姉、オデットとアロワサ。
コミカルに舞台をかき混ぜます。
美しい手足を充分に計算されたしぐさで ちょこまかと動き回るようすはさすが。
シンデレラの清楚な美しさをひきたたせるには充分。

注目の憧れの王子は強く美しく逞しく。
目があった瞬間、心をときめかせる若い2人に言葉は必要ありません。

ピエロは一服の清涼剤。
単調になりがちの雰囲気をアスリート的なバク転とステップで魅了します。
100点満点のバク転はスムーズすぎたのがややおしい。

いよいよ夜中の12時、12人の子供が一刻一刻時を告げていく 緊迫感。
コスチュームの赤が視覚から私の心臓を早めます。
ハラハラドキドキの頂点になった瞬間、12時の鐘が鳴り終わりました。
今度はシンデレラの悲鳴にも似た叫び声が聞こえたように感じたのは私だけだったでしょうか?

シンデレラを探しに世界を回る王子。
スペインの黒人の踊りは斬新。
そろった長い足に目をうばわれます。
辛口スパイスがピリッと光りました。

ガラスの靴の持ち主は灰かぶりのシンデレラ。
やっと巡り会えた恋しい二人は星空の中、幸せの国でパ・ドゥドゥを踊ります。
目にも涼しい青、白、ドライアイスの演出が下界の暑さを吹き飛ばし、全3幕はあっという間に過ぎてしまいました。

私はダンサーの手の指の中に言葉を捜し、みつめあう二人の目の動きの中で愛の語らいを聞き分け、12時の鐘の中でシンデレラの悲鳴を聞きました。
言葉がないからこそ伝えられるものがあること、子供の頃から慣れ親しんだ物語の中でそれがよく理解できました。

今年8月はところによっては最高気温が38℃を超える猛暑。
猛練習と夜遅くまでのリハーサルで、出演者達の体調管理は大変だったと思います。
同じ時期の世界陸上大阪大会では体調を壊す選手、足がつって走れなかった選手が続出でした。

こともなげに上がる美しい足、優雅なしぐさは毎日の練習のたまもの。
猛暑と猛練習に打ち勝ったダンサー達の誇らし笑顔がフィナーレで並んでいました。

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2007/09/07

美しい声

 先日「黄金の洋楽ライブ」というテレビ番組から、なつかしい歌が流れてきました。
1960年代、全米No1のガールグループ、ダイアナ・ロス&シューブリームスの "STOP IN WAVE OF LOVE ".。
この曲は、かつて私が2人目の子供を妊娠している時、胎教のために聞いていたアルバムの一曲。
いつも目を閉じて軽やかで美しい伸びのある歌声に耳を傾けていました。

 番組はダイアナ・ロスとシューブリームスの初期、グループが全米No1ヒットチャートを爆進していた時代、解散前、ソロ時代そして2000年以後の最近の様子と順を追って、映していました。

当時のライブステージそのままの音声は、一種の迫力があり、声の質もよく分かり、とても興味深いものです。
1946~65年、BABY LOVE, QUEENOF THE HOUSSE では優しく伸びやかで広がりのある声でした。

67~68年の解散前のステージ、全米ヒットの"KEEP ME HANGING ON "では一転。
あの天使の歌声はどこに行ったのでしょう。
叫ぶ、力む、しゃがれる、痰がからむ、濁る、不透明と言葉を並べると少しは想像がつくでしょうか。
大観衆の前で愛嬌をふりまいて歌っている中で上記のような要素が聞き取れました。

今から思えば、仲間同士の不和が原因だったのでしょうか?
迷いや不満、怒りは精神を乱します。
睡眠不足、不規則な生活、ドラッグ、酒は肺や胃腸が荒れてしまい、伸びやかな声を失います。
くぐもる、しゃがれる、痰がからんだ状態はこのように推測できました。
不眠が続くと体力がなくなり、イライラの火が燃え上がるため、体が硬くなり、無意識に力む、怒鳴る、叫ぶという要素が加わります。
およそ、美しい声をだす環境とはほど遠かったと想像できます。

1970年代ではソロで活躍。 "REMEMBER ME " "TOUCH ME IN THE MORNING " "THEM FROM MAHGANY " 等、美しい声の復活です。
"ENDLESS LOVE " ではライオネル・リッチーとデュエットしているのを聞いたことがある人も多いと思います。

シューブリーム時代から40年。最近の60歳代ダイアナ・ロスの歌声は広がりのある声、かすれそうで力まない、やわらかく耳に心地よく入ってきました。
彼女の心境が伝わってくるようでした。
今や彼女は生活、食事、体調すべて歌うために節制していると聞き及んでいます。
玉を転がすような美声も又、体調管理からということを、この番組から再認識しました。

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