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2006/01/31

アンリ・マチスの「金魚」

kingyo
透明な金魚鉢から、赤い金魚が四匹こちらをのぞいていました。
私の心を見透かすかのように目と目が合いました。
重い心・重い体を引きずって、気分転換でもしようと、大阪のプーシキン美術館展を訪れた休日の午後のこと。

ガラスの金魚鉢、四匹の赤い金魚、せわしげに動く丸い口。ガラス越しの緑葉がよけいに鉢の透明さを浮きたたせているようで。妙に引きつけられて、絵の風景を理解しようと思った時でした。

マチスの金魚は1900年代初め、オリエンタリズムのあこがれとして、一般に金魚が観賞魚として広まっていた頃に描かれたものです。
雑然とした背景の中で、私が金魚をのぞいているのか、私の心を金魚にのぞかれているのか。主客が入れ替わるような倒錯感の中で不思議な気持ちになりました。
うつろな私の目に飛び込んできた赤い金魚の目。先程まで混乱していた思考回路は、方向性をもって順に回り出しました。同時に、背中にあった心兪穴(ストレスなどがたまると硬く張ってくるツボ)のストレス玉がゆらゆら揺れて、ゆるやかに変化しながら消えていく。それを客観的にながめている自分に気がつきました。

重い心を動かしたものは何?

それは、人によっては優しい言葉。友人とのおしゃべり。耳から聞こえてくる歌。美しいメロディー。口にする食べ物。自然の中のあたりまえの現象……。この時の私には、一枚の絵がそれでした。

帰りにマチスの「金魚」の絵はがきを買い求めました。
視覚の中に金魚が飛び込んでくる→本物の絵を見て立ち尽くした感覚がよみがえる→重い心が軽くなった
という一連のことが瞬時によみがえると思ったからです。

気分転換の必要性を強く感じた一日でした。

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