2009/07/08

アトピー性皮膚炎 5

 顔が赤く腫れたE子さんが来院されました。針治療4回目。初回の治療で赤みがうすくなり順調なスタートでしたが。

 顔はおなかの状態をあらわしています。おなかに燃える物を詰め込み過ぎると、少しずつ赤みが出だします。ここにストレスというマッチの火がつくとおなかが燃え上がります。当然のこととして顔が腫れ上がるのです。

 燃える物とはなんでしょう?E子さんが思いついたのは、ケーキ、おかき、クッキー、菓子パン等の甘い物、イモ、くり、ナッツ類、ポテトチップや天ぷら等の油物でした。

 燃える物は、手足を動かすと燃焼します。歩いたり運動したりしてエネルギーをしっかり体外に放出するように提案しました。後は、ストレスの火をおなかの中で点火させないことなのです。

 針治療は、燃える物を消化吸収ラインにのせて流し、ストレスの火を消します。渋滞していた生命活動を活発化させます。地道な治療がアトピー性皮膚炎を軽減させていくのです。

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2009/06/27

針はなぜ効くの?

 「先生、針ってなぜ効くんですか?」

 OLのB子さんはいかにも不思議そうに尋ねました。いつも、肩こりと腰痛で針治療にこられます。

 胃腸の弱いB子さんにはこう答えました。おなかの胃腸の外側に腹筋があります。それにつながる足には太股とすね、つまり大腿四頭筋や前脛骨筋などがあります。腹筋の上には胸の大胸筋や首筋の胸鎖乳突筋などがつながっています。これを胃の経筋群といいます。また、体を動かすと気のエネルギーが発生します。この気のエネルギーの上に電をつけてみてください。電気エネルギーが発生します。

 胃腸が弱いB子さんは、胃腸に関係する胃の経筋群の動きが悪く、電気エネルギーの力が弱いわけです。胃腸の働きを整える足の三里穴は変電所です。足の三里穴に針を打つと電気エネルギーが増えて胃の経筋群すべてに行きわたります。胃腸が活発になるだけではなく、胃腸からくる肩こりや腰痛などの電気エネルギー渋滞箇所にも十分行きわたります。

 B子さんの自分にできる養生は、歩いたり軽く運動する。夜食や暴飲暴食をして胃腸に負担をかけないことです。最近は、私の言う事を聞いて夜8時までに夕食を食べるようにしているとのこと。

 「ひどい肩こりと腰痛が少なくなりました。」

 そして冒頭の「針ってなぜきくんですか?」の問いが出たのでした。

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針はなぜ効くの・・

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2009/06/20

夜の学校

 よくクーラーの効いた南海電車の車内。午後4時過ぎ。高校生がカバンの上で参考書を開ける。小学生がおしゃべりをしている。ブラインドが日差しをやわらげている。初めての講義の日。

 30数年ぶりの鍼灸学校。週に一回の非常勤講師になりました。午後6時から9時まで、90分を2コマ受け持ちます。講義内容は、「伝統医学とその臨床実技」です。

 学生はすべて鍼灸師と柔道整復師の有資格者。彼らは昼間それぞれの治療院で仕事をした後、学校にやってきます。中国の伝統医学のうち気口九道脈診を習得します。

 初めての脈診の実技では、昼間の先生から学生の顔にかわり真剣そのものです。昼間の疲れがあくびにつながることもありますが、中国の伝統医学から何かを学びとろうという向学心がひしひしと伝わってきました。「私は、32年前に鍼灸師の免許を取得したよ」というと、30歳の鍼灸揉整師A君はビックリしていました。脈診はほとんどマンツーマンで伝えるものです。彼らの一助になればなぁと思いました。

 帰りは真っ暗。夜診で遅くなるのとは違った興奮と緊張がありました。電車の車窓から夜の風景が飛んで過ぎていきました。疲れは、次の日の針治療にも及び大変でした。

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2009/06/11

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入梅

 どんよりとした曇り空。洗濯物の乾きが悪い。
 
 6月9日は入梅。除湿目的で軽くクーラーを入れました。

 ベーネ南船場治療院でも衣替え。白と水色の基調のシーツにするだけで目に心地良い雰囲気がでました。日当たりの良い窓側には、遮熱カーテンを新調。患者さんが着るパジャマも薄手の綿100パーセントの物に入れ替えです。

 梅雨の後半は、晴れの日は暑気の蒸し暑さ。雨の日はジトジトの梅雨。針治療も二種類の季節の対応をしなければなりません。だるい、重い、神経痛が痛い、お腹の調子が悪い、食欲が無いと梅雨特有の症状を訴えて患者さんが来院されます。アトピー性皮膚炎の症状も湿気のため悪化しがちです。

 体が重だるい時は部屋の除湿を、体の中の除湿に薄塩味の小豆を、弱っている胃腸に、ニンニクと生姜の隠し味を上手に使いましょう。生ものはひかえめに。

 

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2009/06/04

薫風に吹かれて

 賀茂川沿いの芝生で寝ころぶサラリーマン。ベンチに座ってお弁当を広げるOL。川に向かってサックスを吹いている男性。重いリュックを背負ってジョギングをしている人たち。賀茂川の流れをさかのぼり出町柳から北山方面ののどかな風景。

 心が疲れた時、時々京都にでかけます。

 午後から雨模様の予報を聞いて早めに京阪電車に飛び乗りました。曇り空に薄日が射す昼下がり。湿った空気が雨が近いことを感じさせます。川沿いを歩く私の顔に風が心地よく吹き渡っていきます。川面にのんびりとたたずむ鳥。時にその長いくちばしで魚をついばむ。ごうごうと川の段差から流れる水の音。風景と音、風、空気の中に体がとけ込むような爽快感。

 足をどんどん動かしていると、胃腸が動き始め肩こりが緩み、こわばった顔の表情が和みました。心地よい足の疲れはいつものストレスを遠ざけたようです。
 
 帰り道、土のようにふかふかになった心が私に戻ってきました。

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2009/05/28

アメリカンアイドル 3 アーティストへの道

 すてきなエンターティナーの装い。現代風なアレンジヘャー。 マイクを持つ手はどこから見てもプロのアーティスト。

 アメリカンアイドルは、ベスト4の選考に入っています。数ヶ月前まではごく普通の人達。今週の課題を歌う5人の挑戦者達。ミュージシャンからアーチストに脱皮できているかどうか、優勝の道を駆け上がる勢いがあるかどうかが審査員から求められています。挑戦者達は、一週間頭をつかって考えステージに臨みます。
 
 選曲を連想するルックス
 選曲をアレンジして自分の個性を出す
 曲の心情を理解しているか
 本歌のアーチストのコピーではいけない
 ただのカラオケで終わっていないか
 曲の心に潜む感情を自分色に染められるか
 
 優勝候補の一人、ダニー。今回、彼はさらに曲に起承転結というストーリー性をひき出し、後半のステージを大いに盛り上げました。英語の意味がわからないまま聞いている私にも、そのストーリー性と抜群の歌唱力は伝わってきました。もう一曲聞いてみたいと思わせる彼のステージは、プロのアーチストの風格。審査員の絶賛をあびていました。

 ミュージシャンからアーティストに変わることの意味を考えさせられるこのごろ。自分たち鍼灸師のプロ意識につながる道のようで目が離せません。

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2009/05/21

アトピー性皮膚炎 4

 「一番の原因は、陸上部をやめて運動をしなくなったこと」
 「家はオーガニックの材料を使った食事。それを食べずに外食ばかりしていた。」
 「お弁当はちょっとしか食べなかった」
 「食べる時間がバラバラ」
 「ほとんど食べない時とバカ食いする時があった」
 「お菓子はいっぱい食べた」
 「夜遅く寝過ぎた」
 
 一人でギターをひいている中3の娘。顔は赤く腫れあがっています。彼女が出した自己分析でした。この一週間は事の重大さをわからず今までどうりの生活をしていました。そしてアトピー性皮膚炎が悪化し顔全体に広がりました。

 「顔が赤く腫れているから学校休みたい」。折しも新型インフルエンザ騒動による一週間の休校。荒れた彼女の心とゆっくり向き合いました。つっぱる理由がどこから来るのかを考えさせられました。母親が出る幕だと思いました。
さすがに針治療は素直にうけてくれました。腫れあがった赤い顔の熱感がとれてくる頃には、冗談も言えるようになり彼女なりの正確な自己分析もできました。

 治療のしあげは苦い味の黄連解毒湯、えぐい味の消風散を合わせて飲むこと。コップの水に氷を一つ入れて飲ませました。良薬は口に苦しの典型の薬です。

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2009/05/13

アトピー性皮膚炎 3

 「お母さん、顔がかゆくてかいていたら汁が出てきた」夜診を終えて帰宅したとたんに中3の次女に言われました。

 彼女の指さす先を見ると、頬に10円玉大の赤い湿疹。透明の粘液が今にもしたたり落ちそうになっていました。ベーネ治療院でいつも見慣れているアトピーの風景でした。一番身近なところに患者がいました。夜診の疲れが吹っ飛びました。

 彼女は陸上部を退部して5ヶ月目。運動不足。パソコンに向かう日々。夕食までにおやつ食べ放題。ジュース飲み放題。夕食少なめ。遅い就寝時間。生理も3ヶ月以上飛んでいます。私の注意の半分も聞きません。このたびのアトピーの湿疹は十分予測できることでした。

 悔やむ前にかゆみと透明の浸出物をとめないといけません。針治療をして消風散と黄連解毒湯というかゆみを止める漢方薬をのませました。猛烈なかゆみはなかなか止まりません。「かゆくて寝れないよー」泣き出しそうな娘。午前0時をとうに過ぎています。私は、もう一度漢方薬を飲ませました。今度は倍量。しばらくすると寝息が聞こえてきました。

 普通の家ならかゆみ止めの薬を塗るところです。かゆみが止まらなければ皮膚科の飲み薬を飲まなければなりません。我が家は、針治療と漢方薬。そして養生。甘い物、ジュースをひかえる、早く寝る。

 「かゆくて寝れない」という緊迫感はこたえました。患者さんの切実な思いを知りました。

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