2018/04/16

変わる意識

 「わしは今日は絶対行かない」顔を真っ赤にして怒りながら言い切る96歳の父。

 長女の結婚式当日の朝。出発50分前のこと。何日も前からこの日を楽しみにしていたはずなのに。前日から父の家に泊まりに来ていた妹から「行かないと言っている」というメールがきました。

 自分の支度もできないままに父宅へ飛んでいきました。

 ここのところ背中の痛みで体調が悪そうでした。「痛み止めは絶対飲まない」ともいうので、無理やりはり治療開始。診ると、連日の気温の変化のため風邪をひいていました。怒りの原因は風邪により肺が弱り、肝が高ぶったようでした。行けないかもという不安感、悲壮感はこのために出ていたのでしょうか。後は気力が出るように腎虚を補いました。

 はりを刺したまま、時計とにらめっこをしながら、背中の痛みを止めるために超音波をあてました。

 腎虚を補っている間に、妹に、「式服を持ってきて」と父が言い出しました。「行くの?」と聞くとうなずく。

 出発15分前。感動する暇もなくわたしは自宅に跳んで帰り自分のしたく。朝10時に予約していたタクシー到着。

 その後は無事に式は終わり、上機嫌の父を連れてタクシーで家まで送りました。
 
 はりで体調が変わると、意識は変わることを父をとおして実感しました。

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2018/04/09

美味しそうなにおい

 電子レンジからプーんと豆ちー(醤油の搾りかす)のにおいがしてきました。ご飯まだいらないと言っていた96歳の父は、こぼさないための前掛けをしめ箸を手に持って食べる用意をしはじめました。

 昨夜、豆腐が余っていたため作った麻婆豆腐。にんにくと生姜をきかせ、豚ミンチと豆腐を、甜麺ジャン、豆ばんジャン、豆ちーで味付けしたもの。仕上げには、ごま油とねぎをちらして。

 電子レンジで温めなおしたところ、ごま油と混じった美味しいにおいが部屋中に広がって、わたしの頭はまたしても麻婆豆腐モードになりました。食欲の無かった父。鼻から入った美味しそうがお箸を持って待つ体制になったことに嬉しさと驚きを感じました。決め手は、隠し味のにんにくと生姜かも。このにおいが胃腸を刺激したのだと思います。

 体調が思わしくないとき、鼻から美味しそう、目からの美味しそうはとても大切なことだと思いました。もう少し、器、盛り付けの色合いの工夫が必要とも感じました。


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2018/04/02

巣立ちの後

 桜満開の日、長女は、結婚して近くの新居に引っ越して行きました。

 残ったのは、92歳の義母と9歳の犬(人間でいうと推定58歳)とわたし。

 6人家族がにぎやかにひしめいていた家はがらんどう。

 送ってもらっている米の量を減らさないと。宅配で頼む野菜や調味料なども減らす。スーパーに行く用事も少なくなりました。大型冷蔵庫はあまり必要ないくらい。これまでの生活スタイルを一から見直しです。

 とはいうものの、一抹の寂しさもあって、昼間は外に出て気晴らしをしています。春の日差しをあび、春の花をみつけて、街行く人の新年度の幾分かの緊張を肌で感じながら、徐々に自分を取り戻しています。
 
 数日後、長女は家で使っているいろいろな調味料を取りに来ました。我が家の味つけだけは受け継いで持って行ってくれました。

 ひと安心しました。

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2018/03/12

花粉最盛期

 桜の木の幹がぼーっと桜色をおびて見えました。

 昼間の気温が15度を超える日があり日差しの温もりを感じます。

 良い季節に花粉最盛期も合わせてやってきました。
 
 わたしは、今日からゴーグルめがねとマスクとといういでたち。かゆみのため目をえぐりだしたい衝動が少し緩和されました。眼球に花粉が刺さるのを想像するだけでもだけでも悪化しそうです。一安心。マスクをかけると視界がくもるのが玉にきずですが。

 かゆみに、馬油にミント油を混ぜ合わせたミントクリームを目の周りに塗るとかゆいモードが治まります。鼻の穴に塗るとむずむずするのが和らぎます。

 目や鼻の粘膜がぶよっと腫れていると花粉をキヤッチしやすくなります。パンやお菓子などの小麦粉製品やおかき類はこの時期だけでも控えたほうが安心です。暴飲暴食でおなかが詰まると鼻がつまり息をするのも苦しくなります。水はけを良くすると、幾分症状が緩和されます。小豆やコーン茶、甜茶、べにふうき茶、杉ひのき茶などがおすすめです。

 はり治療でも同じように胃腸の水はけを良くしたり、この時期特有の風邪症状を取るようにしています。

 花粉は、体の中の許容範囲を超えてあふれると、つらい花粉症になります。今年から花粉症デビューした人もいますし子供のうちにからデビューすることもありますからご用心。

 薬を飲めば楽になるのがわかっているのに、ゴーグルめがねのいでたちとミントクリームで毎年がんばっています。やはり、はりがどのくらい効くのか試してみたいのです。

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2018/03/04

介護生活復活

 明るい日差し。風がない。ダウンコートが脱げるかな?

 久しぶりに自分の時間が持てました。休日をすべて自分の時間として過ごすことができる幸せを感じました。

 半月前、家人への突然の医者からの告知。驚く暇も無いままにキーパーソンとしてすべて担うことになりました。暗い家の空気、心の余裕が無い。一気に暖かくなったこの日、久しぶりに自分だけの時間を無理やりとらせてもらいました。季節は変わり春の装い。コートを脱いで五分咲きの梅見でした。紅、白、ピンク、枝ぶりもそれぞれ趣があり心が踊りました。

 帰宅したとたん、キーパーソンとは何か?その重さをまた思い出しました。

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